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オットーという男のmiiのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
5.0
奥様のお墓に向かって語りかけるオットー
これだけでも奥様への愛が伝わり
予告を観ただけでうるうるしていたわたし。

けれども 眉間にしわを寄せた序盤の彼は
いるよね···こういう偏屈爺さん···というもの。
だんだんと 彼は社会のルールを厳守しているからだと分かります。
彼の退職祝いのケーキもさ お顔はそのまま残して本人に差し上げようよ!
優しさが欠如した無礼な者にも一刀両断である彼は
見ていて気持ちいいよ。

奥様に先立たれた喪失感から 何度も自殺を図ろうとするけれど
彼の行為を阻止しているのが彼女のような気がしてならないの。
猫もマリソル一家もマルコムも
孤独なオットーの元に遣わせた 彼女からの使者のように思えて。

心を閉ざす事を止め 開放して生きる選択をした彼が
エンドロールで 家族に囲まれて笑顔を称えている写真を見て感涙。
そして 一番最後の絵のように
妻ソーニャの隣りに居る彼は 今も幸せに違いない。

「死」というものが 最愛の人の元へ行けるという考え方って
あまりにも素敵。

オリジナルの「幸せなひとりぼっち」も5点満点を付けたけど
こちらも トム・ハンクスの演技でユーモアを生み出すまろみが出ていて
温かな気持ちになりました。
mii

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