おはなだ

オットーという男のおはなだのネタバレレビュー・内容・結末

オットーという男(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


「あのシボレーは君だけに渡す。
なぜなら君は馬鹿じゃないからだ」


偏屈で頑固で意地っ張りで無愛想なオットー。最愛の妻に先立たれ、仕事を辞め後を追う準備をしていたがそこに明るく陽気な隣人が引っ越してきて……

オットーの言うことには長年の人生で積み上げられたまっすぐな芯があり、そして誰にも触れられたくない深い悲しみを抱えている。でもそれはオットーだけじゃない。長年の隣人であるアニータや親友のルーベン、マリソルたち、かつてソーニャに救われたというトランスジェンダーのマルコムだって。
マリソルがとてもチャーミングで愛らしい女性で、そんな彼女がオットーと関わっていくことで死に場所を探していたオットーが変わっていく。彼の中のソーニャは言う。「生きて」と。

オットーはもともと偏屈なおじいさんというわけじゃない。序盤の頃からぶつくさ文句を言いながらもマリソルやアニータの悩みを解決してくれる様子は、彼が本当は情に篤い男だということがわかる。
時にぶつかり合ったりもするけれど、"隣人""ご近所さん"という垣根を超え家族のように繋がりあっていくこの町のみんなが大好きになりました!
ほっこりしんみり、ちょっと涙を流せるあたたかいヒューマンドラマ。人の温かさを感じたい時におすすめな映画でした!

アブレロ・オットーは『大きなハート』の持ち主!
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