るる

ドラえもん のび太のパラレル西遊記のるるのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃすき。西遊記好きの原点といって過言でない。だいすき。

学芸会というシチュエーションも、実在の三蔵法師に会いにいくというイベントも、ゲームの世界の設定も、孫悟空の正体はのび太だったと判明するタイムパラドックス具合も好きだったし、

新聞越しののび太ママとパパ、おどろおどろしいトカゲのスープはトラウマもの。谷山浩子の『ウミガメのスープ』からは漫画版『屍鬼』よりもむしろこれを思い出す…

パラレルワールドということで魔界大冒険と当時混同してた部分もあるんだけど、とにかく今作が好きだった。絵が比較的新しかった点も良かったのかな。

八戒、言葉を慎みなさい、と嗜めるしずかちゃん好きだったな…しずかちゃんに三蔵のフリをさせるという展開も面白いよね。

ジャイアンのパジャマが可愛かったのもよくて。警報が鳴ったのに、まだ朝じゃないでしょと消しちゃったドラえもんには呆れるけれども。

銀閣金閣を回収するくだり、名前を呼ぶ呼ばせる知恵比べのハラハラとか、砂漠に引きずり込まれたしずかちゃんの絵の美しさ、恐ろしさとかも印象的。

砂漠を彷徨うリンレイ、筋斗雲を飛ばすのび太、現代からきたのび太との邂逅、あれをリピートする、あの時の音楽がまた良いよなとか。

リンレイが火焔山の案内を申し出る、あの凛々しさ、鋭い声もかっこよかったし、歌にもアガったし、未だにアガる。

リンレイが紅孩児という種明かしも、彼が「母さん!もうやめてよ!」と叫ぶ瞬間も、あんた、と呼んだあと悲鳴をあげて落ちていく羅刹女も、芭蕉扇で火焔山の炎を消すのも、全部好きで。おやめなさい牛魔王、と派手なタイムマシンで降臨したドラミに対して、観世音菩薩、と呟く三蔵も、とにかく上手いなって。子供の頃から楽しかった。

そうそう、脚本を書いたもとひらくんの意見も聞きたいな、って、あのハキハキした声の眼鏡少年、何者だよ、好きだなあと思ってたけど、まさか脚本家自身がモデル、これが藤子作品ではなかったなんて。衝撃だったわ。

エンドロール、家族と再会する様子が本当に安心感に満ちていた、家族を大事に、なんて言葉にするまでもない作劇のうまさを思うね。

すきだわー。
るる

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