るる

オールド・ガードのるるのネタバレレビュー・内容・結末

オールド・ガード(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

吹き替えで気楽に。

自分が写り込んだ写真を消す、細やかな描写で良い。

バクラヴァって中東の菓子なのね、バクラヴァ産地当てクイズ、ユニークだけど、たぶんネイティブからすると変な描写なんだろうな…? アジア圏だと水餃子、ダンプリング当て…だと範囲が広すぎるか、饅頭の産地当て、中国じゃない台湾じゃない日本の京都でも東北でもない…沖縄!みたいなことだろうか、と思いながら見てた。

妻をALSで亡くした元CIA。つらいな。マジでつらい。

生き返り方が生々しくておもしろい。なんとなく漫画っぽいなと感じた。

剣どころか斧まで。千年、戦士として生きている過程で身につけていった戦闘法の数々なのか、なるほど。

アクションのためのアクション映画という感じがしたけど、カメラワークが好みじゃない、じゃあどういうのが良いのかっつーと困るけど。

アフガニスタン、現地の女たちに交渉に行く、女性兵士、男の行方を尋ねる、女を盾にする男、そうか、女性兵士ってこういう場面で…"需要"があるのか…ちょっと新鮮な描写だった、
基本的に私は軍隊というものが嫌いだし女性兵士という存在をどう考えれば良いのか保留しているのだけれど、女性兵士が非戦闘員の女性たちを安心させることで無用な争いを回避できる、そういう緩衝材としての役割を果たすことはありうるのかもな、と思った、
でも女性兵士をテイよく使う構造にやっぱり性差別を感じるしやっぱり軍隊は嫌いだ、と再確認。女性兵士の功績を正しく伝えることは大事だけど、それが軍隊の正当化に回収されるなら私は抵抗したい立場だ。『キャプテン・マーベル』以降、米軍の女性兵士の描写を目にすることが増えてて、ちょっと抵抗感がある。こうして慣らされていくんだなという予感がある。

不死の瞬間が訪れた彼女にシンクロして飛び起きる彼ら、仲間がいるって素晴らしいな…そして復活を経験した彼女の仲間の女性兵士たちも優しい、

女性のほうが平均寿命が長い、女性が羨ましい、という男、なんともいえぬ嫌悪感が湧くつくり、認知症を治す、素晴らしいな、投資が必要です、大事な演説、

しかし、若き天才・白人男性CEO、倫理観と道徳観に欠けたクソ野郎、新時代の悪役という感じがするけれど、どうなんだろうな…スティーブ・ジョブズ、FacebookのCEOのイメージなんだろうけど。
まあでも若き天才といわれる科学分野の男って大抵モラルに欠けてる実感があるもんな、あれなんなんだろうな、やっぱりマジョリティだから他者に鈍感のまま突出できてんのかな、しばらくこのタイプの悪役を徹底的にやっつけてほしい気持ちだけど、
そのまえに年老いた白人男性の巨悪を勝ち逃げさせず、今こそ徹底的に潰すべき、新しい芽を摘んでる場合じゃない、という気もしてる。
一昔前は黒人の悪役とか女性の悪役にも夢があったけど、いまはきっちり、既得権益にあぐらをかいた連中を糾弾してほしい気持ち。
そういうわけで、ギークっぽい彼、悪役像という意味では小物で、扱いやすいというか、敵として設定しやすいんだろうな、と思う。

銃を突きつけて名乗り、殴って気絶させて「アンディって呼んで」なんだそりゃあ、って言いたくなるような順序なのに、シーンとして成立してる。やっぱり漫画っぽい演出な気がする。

と思ったら原作コミックなのか、納得。シリアスに撮り過ぎてる感じもしたけど、シャリーズ・セロン主演作だしこれくらい重厚感があるべきなのかも。

音楽がユニークで良い。

揺れる飛行機の中で瓶からぐびぐび透明な酒を飲むシャーリーズ・セロン、よくわからない描写。でも妙に生体を意識させる、外は砂漠、不死身だけど水分は必要、必要な生々しさか。

ロシア語で「死んだふりしろ」飛行機の中での戦闘、肉弾戦、醍醐味だな。

ジョーとニッキー、十字軍で知り合った、運命の伴侶と何度も殺し合って最愛のひとに。すげえな。その間、アンディはずっと夢で彼らを見てるわけだろ、やべえな。

悪夢を見た新入りに、起こされてしまった雑魚寝している仲間たち、どんな夢?と問う男、めちゃくちゃ優しく見えて新鮮だった。必要な情報源とはいえ…

棺の中で海の中で死に続ける、溺れ続ける、きっつすぎるな。。しかし、アンディとクイン、最強の百合だな…! 時代劇アクションに力入ってて感動した、昨今なかなかないよな。魔女狩り、魔女裁判、絞首刑、火あぶり、棺の中、深海で500年…きっつ。

生き返れる? ブッカーが生き返るまでに固唾を飲んでしまうアンディ、自分の蘇生能力に衰えが始まったとはいえ。死は慣れないものなんだな。。

教会での大立ち回り。いいね、神なんてクソくらえ。

今後絶対味方になってくれるだろうとわかる、どこか優しい見た目のコプリー。ローレンス・フィッシュバーン的ポジションというかな。チウェテル・エジフォー、覚えたい。

「彼氏か?」「幼稚だな」演説の末、「僕のすべてだ」キス、最高だな! めちゃくちゃ意味がある見せつけだ、すげえ勇気をもらうシーンだ、馬鹿にされたら見せつけてやれ、かっこいいよ、このシリアスなトーンの中でよくやってくれた、コミカルな描写にしないでくれてありがとう、ありがとうな。。

ロダンと寝たかもしれないアンディ、スケールがでけえ。

焚き火で腕を焼いてみるナイル、痛みは感じる。ブッカーの孤独。200年生きてる彼が家族をつくったのは人生のどのタイミングだったんだろうな。

ドラッグストアのゴスな見た目の店員。シスターフッドだ…シスターフッドを意図して撮られたシーンだと思う、何故そう感じるんだろうな? 撮り方だよなあ。行きずりの彼女の小さな優しさ、こういうのを描いてくれる映画に弱い。

銃弾が抜かれていることに気付く、ストーリーテリングの順番としてどうかと思ったが。

ブッカーの裏切り。マティアス・スーナールツ、誰かに似てる、『スニッファー』の主演のひとにちょっと似てない? 『レッドスパロー』のワーニャおじさんとは気付かなかったな。ドイツ系なのね。。

人類なんて自滅すればいい、ほんとにな。アンドロマケ、ギリシャ神話か。『トロライスとクレシダ』、シェイクスピアにも会ってんじゃねえか?

研究所に集合、なんだか余裕がありそうなカップルに苦笑しちゃった。良かったね、個室じゃなくて。意外と快適そうというか、大丈夫なんじゃないのか。

彼らの偉業に感動してる男・コプリー、ちょっと視点が面白すぎるな。しかしチーム結成前日譚として見るとなるほどな、彼みたいな奴がチームを結成するんだな。彼女は自分の功績に気付いてない、フェミニズムだなあ。敬意を感じる。

妻を亡くして人類に贈り物をしたかったと語るコプリー、やっぱりぶっ飛んでるよ。「それをするのはあんたじゃない」そうだよな、あれだけの偉業を偉業として捉えるなら、実験体として差し出そうなんて考えないよな。。

エレベーターに乗る彼女を送り出す彼、キャストの肌の色にも意味があるとわかる、めっちゃいいな。なぜ今更不死身の人間が新たに、なぜもなにも、ねえ、これから彼女が歴史をつくるんだよ。
クインがアジア系だったのもなるほどな? たぶん古代中国の発展に寄与したでしょ、彼女、知らんけど、西洋的目線からいくとそういうことなんでしょ。と思ったけど、クイン役のベロニカ・グゥ、ベトナム系か。中国とは戦争もして仲良くない国なんだけど、たぶん区別ついてないんじゃないかな。。

とにかくこのシーンの曲がいい。静かに戦場へ。良いよ。

お前には伴侶がいるが、俺たちには離別の苦しみだけだ、ブッカー、気の毒に、でもたまに彼らのイチャイチャを意図せず不意に夢に見てしまうってそりゃいやだよな。仲間の幸せを喜ぶ気持ちは余裕があるときだから持てるわけで。

死に方は選べなくても生き方は選べる、ブッカーも私も生き方が下手だったの、というまとめ。優しいな。

アンディの斧に惹かれるCEO、なんでよりによってそれだよ。

ニッキーが生き返るかどうか固唾を飲んでしまうジョー、生き返って目線を逸らす、細やかだなあ。そして死には慣れないんだな。

応援は? これで全員です、瞬間的に『寄生獣』のワンシーンを思い出した、斧を握るしかない彼、苦笑しちゃう。

ニッキーを撃ちやがって、後悔させてやる、と言って一本背負い、打ちどころが悪くて首の骨を、それは柔道なのか?

シャリーズ・セロンの目って曇り空に照らすと白く見えるのね。

自己中女め、っていうCEO、どのツラ下げて。ロシア語、死んだふり。ビルから飛び降り、すごいカット! 車にダイブ、エレベーターより早い、洒落てるんだかどうなんだか。

サントラがマジでいいな。ここでmarshmelloかよ。

裏切りの罰は100年の孤独、マジかよ、悲しすぎるだろ。ジョーが許さなかったのかなあ。序盤で「ボスが休むと言って一年以上経ってるんだぜ」とか言ってた彼らの時間感覚、よくわからん。
もう会えないな、と彼らが約束を守らないだろうと諦めてるブッカー、傷が深すぎるだろ…信じることも大事よ、というアンディ、たしかに、ちょっと時間が必要なのかもな、人を信じられるようになるまで…でも絶対ヴィラン化するじゃん。。

そしてチーム結成。うん。わかってた。

そしてブッカーを拾ったのはクイン。うおお、よくできてるー!!続編楽しみー!!いえーい!!次はめちゃくちゃレズビアンの話にしてほしいよ、頼むぜ、シャーリーズ・セロン。

見てるあいだ、どことなく『コンスタンティン』を思い出してた。もうちょっと軽快に撮ってくれても、カッコつけたシリアスシーンはケレン味で処理してくれても、と思ったけど、全編貫く重々しさが効果に繋がってたなあと思うので、いいや。

じわじわ良さが増す映画だなと思った。音楽の使い方がとにかく新鮮でよかった。チルでスタイリッシュ。監督の次回作も追う。
るる

るる