るる

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからのるるのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

夏に話題になってたので流し見したのだけれど、

そこまで目新しさは感じなかった、ような…既視感が…なんだっけなこの感じ…と探ってたんだけど、

どうも、日本のファンフィク文化の中で触れたあれやこれやなのではないかと。女性キャラクターが絡むBL…だとか、友人関係にあるキャラクターたちをゲイ設定とノンケ設定に据えて、三角関係を前提にしつつゲイとノンケ…理解者との友情話を描くといった、入り組んだ設定のあれこれを彷彿とさせて…

あれらがオンライン上で無料で読めた、あれは一体なんだったのだろう、素人(ということになっている)が描く豊潤な世界、商業エンタメになかなか反映されないのはなぜなんだろうか、、とか色々と思考が飛んだな、とにかくなんだろう、これ知ってる、この感じ知ってるぞ、と思った

『シラノ・ド・ベルジュラック』の手紙の代筆という題材が好きなので、その点でも既視感があったかも。好きな要素が積み重なっているおかげで好ましいのだけれど、"枠内"というか。たぶんコンディションが違えばもっと染みるのだと思う。

もちろん新規性はたくさんあって、アジア系の女の子、眼鏡をかけた、冴えない見た目の女の子が主人公、めちゃくちゃ嬉しかったな、"私たち"に近い主人公と出会えた喜び…

アメリカに住む中国系、大家族のイメージからは解放され家父長の名残だけを感じる父娘の暮らしを描いたという意味でも嬉しい、そうなの、オリエンタリズムで家父長制ガチガチのアジア系ステレオタイプ話を見せられるのには抵抗があったの、これくらいがちょうど、と思えた。

アホな男の子との友情、微笑ましく、愛せたけど、結末がな…もうちょっと乗り越えてきて欲しかった気持ち。再見したい。
るる

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