るる

コンテイジョンのるるのネタバレレビュー・内容・結末

コンテイジョン(2011年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

コロナ禍中に話題になってたので流し見。

2009年?のSARS騒動の際、満員電車の乗客が全員マスクをつけてる写真を週刊誌がディストピアだのあげつらってたことを覚えていて、
当時、電車の中で空咳したらなんとなく視線を気にしてしまったり、でも世間は言うほどなにも変わらなくて、ありゃなんだったのか、
なのに大切なイベント予定は関係者の体調不良のため大事をとって直前に中止という判断になって…
今回のcovid-19騒動と比較しながら、そういう時期のことを生々しく思い出していた、
当時は何故中止?強行すればいいじゃん、と思ったものだけど、大人になると中止もやむなし、と感じるようになった、
ライヴイベントに関する個人的優先度が下がったということかな、と寂しく感じていたけど、いやいやイベント事業・文化の存続のために中止にするということもある、個別に判断するしかない、一概には言えん…というあたりに落ち着いた、

そういう変化を省みつつ、

あれ、そういえば、SARS騒動がどのようにして収束して、そもそもの原因はなんだったのか、なんにも知らないままだったな、と気づいた。

最初は中国のコウモリ、そして豚…

のちにパオロ・ジョルダーノの『コロナ時代の僕ら』を読んで、作中でSARSの話が引き合いに出されて、コウモリ、中国の食文化・環境問題への言及があって、環境問題に接続するあたり先進国らしい発想だな、しかし食文化への言及はアジア蔑視じゃないかとモヤついたんだけど、

コウモリが原因と、ちゃんと解明されていたし、映画という形で周知されてたんだな、と改めて。10年越しに無関心を突きつけられた気がした。

ラスト、コウモリが飛んで、何日目と出る、あの突きつけ方、いかにもソダーバーグで。良かった。

偽薬騒動が興味深く、ジュード・ロウの冷笑的なキャラにリアリティを感じて、これはきっといずれ日本でも起こるな、と思っていたら、のちにイソジン騒動等に接して、なんというかうんざりした。

しかし正直ドラマ部分は…父と娘な…ちょっとくさい…くどい…マット・デイモンの父親役に良い印象があんまりないかも…『幸せへのキセキ』苦手だったな…最後のダンス、うーん。

でもやっぱり鑑賞体験としては面白かったし、予習・復習という感じで、刺激的だった。コロナ収束後、何年か経ってから改めて見直したい気持ち。

今回のcovid-19騒動については誰が撮るんだろうか。収束後のアメリカ、ハリウッドにはたして映画撮る余力が残ってるんだろうか、映画館は持ち堪えられるんだろうか、安易な中国批判で憂さ晴らしするような内容を見たいわけじゃないぞ、大丈夫か、と。大統領選後に改めて。

うーん。
るる

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