シミステツ

お熱いのがお好きのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

お熱いのがお好き(1959年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

禁酒法時代の1929年シカゴ。棺桶に酒瓶をたんまり詰め込んで輸送するのおもしろい。建前上コーヒーしかないと言ってスコッチコーヒーとカナディアンコーヒーがあると言うグレーさ。「スコッチのデミタス」と頼むのもお手のもの。

偶然殺人事件を目撃してしまった二人は追われるようにお酒と男が禁制の女性楽団に紛れ込む。お転婆で酒好きのシュガー(マリリン・モンロー)の圧倒的な美。夜な夜なシュガーがお礼にやってきてダフネと二人きりになるシーン、二人でいたかったのに仲間にバレてパーティになってギュウギュウ詰めになるのもコミカル。

百万長者でヨットを持ってて体格が良くて眼鏡をかけてる男性が好きというシュガーの話が後半へのフリになってる。ダフネを差し置いてジョセフィン(ジョー)がシュガーにシェル石油の御曹司を装い理想の男性として接近する。ちゃんとベタで王道。女性を愛せないという設定にして振り向かせるためにシュガーをその気にさせる上級者テクすごすぎるし、終盤はマフィアに追われるのもお約束。

そもそも女装がバレないわけないという前提が吹っ飛んでるのももはや面白くて許容できる。
バレるかバレないかハラハラの中で男子禁制の女性の園に紛れ込むという設定が時代錯誤かもしれないが邦題よろしく男の子ウケはいいんだろうなと思う。『Some Like It Hot』は「好みは人それぞれ」くらいの意味だと。結局好きになった人が好きという。男でも構わない、完全な人はいないという題名への落とし込みのラスト素晴らしい。『I wanna be loved by you』は有名すぎる。