たりほssk

愛と哀しみのボレロのたりほsskのネタバレレビュー・内容・結末

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1930年代から1980年代にかけてパリ、ニューヨーク、モスクワ、ベルリンでの芸術家の家族を、戦争を挟んで二世代に渡って描きます。原題は百人百様とか、人それぞれというような意味。時代(特に戦争)に翻弄されながらも必死で生きていく人々の一大叙事詩で、長い歴史のようです。1人ではなく多数の人々の人生を長時間に渡り同時に描くという大変重厚なストーリーの展開で、受け止めるのにエネルギーが必要でしたが非常に感動しました。

人生とは何と濃密で複雑なのかと考えさせられます。毎日毎日の積み重ねは、その時は何も感じなくても、俯瞰して見れば大きなうねりを持っている。人生のさまざまな場面で、必死の思いで考え選択して来たその道のりが、とても大切なものに思えて来ます。ボレロは同じフレーズを何度も繰り返しますが、これが人生の選択の積み重ね=道のりを表しているように感じました。
ジョルジュ・ドンのダンスで登場人物を集結させ、まとめるという素晴らしいエンディングにも心から感動しました。
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