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ゴジラ-1.0のーーーーだいのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

山崎監督がゴジラをついにやるらしい、と噂を聞いてはや数年、予告を見てもう一年?くらい経って、遂にようやく観に行けました!

結果は感無量。この時代に生きてて良かったなとそう思える傑作でした。

変に奇をてらわずド直球王道のストーリー、
日本映画至上最高クオリティのVFX、
"戦争/戦後"という日本人ならではかつ扱いが難しいテーマを見事にエンタメに昇華するストーリー/演出、
山崎監督のキャリアをフル活用した集大成的なギミック、
などなど、本当に様々な要素がガッチリ噛み合って傑作になっていたと思います。
何より、ゴジラがめちゃくちゃカッコいい!!そして熱線の溜め・発射方法・威力含めて新しい姿を魅せてくれて、大好きなゴジラになりました。めっちゃ動くし!

個人的に、2000年以降は「シン・ゴジラ」が公開されるまで、日本の「特撮映画」というジャンルはひたすらに下火だったと思います。
2014年にギャレス監督GODZILLAが公開されて、最高に嬉しくもあり、日本の怪獣映画、特撮映画はもうずっとこのままなんだろうな、なんて諦めの気持ちがどこかありました。

それが「シン・ゴジラ」をキッカケに、「ゴジラ -1.0」まで来た…というのは、本当に素晴らしいことだと思います。


国産ゴジラ映画に関しては「シン・ゴジラ」がスゴすぎて、後続がもはや無いのでは?アメリカのモンスターバースだけになるのでは?、もし公開されてもショボくてキツいのでは…なんて思ってました。

山崎監督についても、リターナー/ジュブナイルは大好きですが、三丁目の夕日以降は一般寄りに寄って、何とも微妙な気持ちになってたので(永遠の0とか実写は基本良かったですけど、山崎監督の好きなSF映画は少なくなったし、ヤマトとか…て感じだし、鵺はやらないなかな?みたいな)、、、

そういう意味でも本作は期待もしつつ、どこかで不安でもありました、シン・ゴジラも同じでしたけど、あの時はゴジラブランドが下火だったので、純粋に庵野監督×樋口監督のゴジラが観れる!と楽しみでした。


しかし!!
そんな期待を打ち破る、予告でぶち上げた期待を真正面からさらにぶち上げる、超傑作だったわけで!!!

もう最高です。感無量です。


山崎監督含めスタッフの中では「シン・ゴジラ」を意識しない訳にはいかなかったと思うんですが、意図してたか知らずか、かなり対比関係にあったと思います。
シンゴジラが全ならマイナスワンは個、
シンゴジラが静ならマイナスワンは動、
シンゴジラが楽ならマイナスワンは哀、
シンゴジラが災害ならマイナスワンは戦争、
という感じがしました。
どちらも傑作レベルでベクトルは全然違います。それを同じ題材で作れるというのが、ゴジラの懐の広さであり、69周年も続いてきた理由なんだと思います。
ゴジラのテーマも、ズーッと変わらないし、それって結構スゴい。

戦後の日本を舞台にする、という今までにも無かった過酷な展開でしたが、山崎監督の今までのキャリアの集大成と言わんばかりに、各ディティールが緻密でした。ディティールだけじゃなく、物語も本物で、戦後の元日本兵たち、生き延びた人たちを名優達が演じきっていました。そして何より、各登場人物の想いが物語に繋がっていく。
戦後をテーマに重々しくもこんなにアツい物語はないです。すごい。

神木さんは朝ドラと掛け持ちだったらしいのに本当に役に入り込んでて、神懸かってました。佐々木蔵之介さん良すぎてヤバでした。カッケェ〜


もちろん100%全て完璧って訳じゃ無いです。シナリオは終盤がちょっとあからさま過ぎたり、セリフで語りすぎたり(学者先生、中盤から喋りすぎ!みたいな笑)、たまーーにPS5みたいなシーンがあったり(後半の作戦に向けて港で戦艦に荷物積んでる遠景シーンとか)と、山崎作品っぽい微妙なところはありました。けどそんなの関係無ぇ!!てレベル。

ちなみに、流石に甘々ラスト過ぎでは?というは思いましたが、今作のテーマ的に、それもありかな、と思えました。フィクションなんだし、戦後で生き抜く戦いのあとに、こうなったらいいよね的なご褒美として、ハッピーエンドもありだったと思ってます。


シンゴジラ同様最後のワンシーンどころかツーシーンのお遊びがありましたが、ひょんなことからマイナスツーなりゼロなり、やって欲しいな〜なんて思います。無いと思いますけど!笑

ps. エンドロールが短過ぎてめちゃくちゃビビりました。三丁目の夕日のが長かったのでは?と思うくらい。どんなバケモノスタッフなんでしょうか白組は…