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ゴジラ-1.0のAyaxのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.8
山崎貴への警戒心強すぎて期待値を下げて観に行ったこともあり、全然良いじゃん!ちゃんとしてるじゃん!!という感想。
そもそも観る予定がなかったので、ネタバレありレビューとかも普通にYouTubeで見たりしていたので、話わかってる状態だったけど楽しめた。正確に言うと、ゴジラと人間がどう戦うのかの部分は知らなかったので、そのおかげで楽しめた部分は結構あるかも。
ちなみに自分の立ち位置的にはゴジラは特に興味はない、でも映画はよく観る方なので「シン・ゴジラ」とハリウッド版は全部観ている、昭和の元祖的なゴジラは観ていない人。
人間パートはぶっちゃけダレたし、キザったらしい台詞も多くて、おおこれが山崎貴か!という気持ち。特に佐々木蔵之介がやばい(ダサ台詞連発)。敷島(神木くん)がゴジラと二度目に遭遇した時に頭に傷を負って、どのくらいの期間かは明示されないけど、ずっと包帯を巻いていて、やさぐれた目をしていて、中2感がすごかった。死に場所を探している男がもう一度生きようと思い直すみたいな描き方は良いと思う。みんなのために誰かが犠牲になって美談みたいな話は今どき流行らないので(『鬼滅の刃』は大ヒットしたけど)、そういう意味でも良かった。みんな生きろ。
舞台設定が戦後なんだけど、ゴジラにやられた銀座の街は高濃度の放射能とかで福島の原発事故を思い出すし、国や政府への不信感とかも今の私たちが日々感じるところだし、ちゃんと共感しやすいように作られてる。台詞くどいけども。
ゴジラパートは誰でも知ってるあの曲がかかって国産のゴジラを観ているという気持ちが高まって良かった。映像も特にケチ付けるところはないと思う。VFXも日本でできる最高峰だと思うし、戦後の瓦礫のセットとかもしっかりしてた。どこまでがVFXかの区別も分かりづらいので(自然で良いということ)、ちゃんとストーリーに集中できる。ゴジラのシーンもセットのシーンも実在感があって素晴らしかった。製作費を調べると22億円くらいと出てくるんだけどどうなんだろう(Google検索)。「永遠の0」とか「ALWAYS」の経験も生かされてるのかなと思った。観てないけど。船のシーンより後半の飛行機のシーンがかっこよく撮れてたなと思う。
IMAXは額縁上映で一部の人からブーイングだったようなので、普通ので鑑賞。十分良かったけど、音の迫力とか最大限に感じたい人はIMAXとかドルビーシネマが良いかも。多分、ゴジラのあの声とか足音とか振動が伝わってくるんじゃないかな。いつか観ようと思ってるなら絶対映画館で観た方が良い。小さい子が観たらチビッちゃうかも。
〈以下、ネタバレあり〉
敷島がゴジラに何も攻撃できなかったみたいなことを言うけど、二度目の遭遇で効かなかったにしろ一応戦ってるので、そのトラウマや罪悪感みたいなものを最後に遂に克服したと言いたかったのだとすると弱いと思った。二度目のシーンは敷島が攻撃できないまま戦艦に助けられた方が、最後もっと盛り上がったのでは。
典子の首のアザはゴジラの何かっぽいよね。続編やる気なのか。
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