このレビューはネタバレを含みます
『生きて、抗え』
日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズをはじめ「永遠の0」「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFXを手がけた。
タイトルの「－1.0」の読みは「マイナスワン」。舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無（ゼロ）」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負（マイナス）」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。
主演を神木隆之介、ヒロイン役を浜辺美波が務め、2023年4～9月に放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん」でも夫婦役を演じて話題を集めた2人が共演。戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じる。そのほか山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介と実力派豪華キャストが共演。
山崎貴版ゴジラ！良かった！色々と心配だったけど、普通に楽しめた。ゴジラという映画を、こんなにもまだ楽しめるのかと嬉しくなった。ありがとう。
まず最初のシーンで、びっくりした。ゴジラをここまでモンスターにしていいのかと。まるで恐竜映画やモンスターパニック系の映画を見ているようでちょっと怖さすら感じた。神話のゴジラではなく、生き物としてのゴジラの怖さを思い知らされた。
今までのゴジラ映画だと、ゴジラの破壊活動の影響で死んだ人間は大勢いたと思うが、ゴジラが明確な殺意を持って、多数の人間を襲っていくのは新鮮だった。特に上からゴジラがこちらを見下ろすシーン。本当に自分が捕食対象なのだと感じるほどの冷酷な目。たまらん。
あと、今回のゴジラは核爆弾から突然変異したという設定がとても強く生かされている。衝撃だったのが、中盤のゴジラの銀座を破壊するシーンでの放射熱線の描写。爆風にあそこまで焦点を当てている作品は初めてではないだろうか？それで浜辺美波も。。その後に泣き崩れる神木くんの涙と共に降り注ぐ黒い雨。美しかった。
ただ、山崎貴監督作品でよくある喋りすぎは今回も健在。とにかく全て説明してくれる。ありがたいけどね。あとゴジラがジョーズやってたり、最後の神木くんが来るのがちょっと遅かったり、安藤サクラの演技がなんか乗り切れてなかったり、最後の作戦もほとんど海の中で行われるから地味だったりとか色々と言いたいことはあるけど、でもいい！！
最後の作戦の時のゴジラのテーマが流れた時に、全て許した。やっぱりゴジラっていいな〜って、思わせてくれて、ありがとう。。
