ねーね

ゴジラ-1.0のねーねのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.0
ものすごく評判が良かったのでIMAXを選んで観に行ったのだけど、うーーん私的にはかなり肩透かし感。

70周年記念作ということで期待したわりに、これなら断然2016年のシンゴジラのほうが良かった。
あれはまさに現代の怪獣映画として、リアルを追求したパニック作品として機能してた。
ただ今作は、中途半端に主人公のPTSDとそれを乗り越えるまでの成長物語にフォーカスしてたせいで、ものすっっごくどっちつかず。
こういう系はハリウッドが演出上手すぎるから、どうしても比較しちゃうんだよなあ。

明子と典子と燈子というキャラもいまいちサブ感が抜けず、話の中心に食い込んでこないし、ただ主人公に追い討ちをかけるためだけに用意された女子供って感じに見えた。
燈子さん、最初あんな悪態ついてたのに切り替え早すぎだし。
そもそも、こういう「大切な人を失った自分」みたいな展開にするならラストの病院シーンはなしでしょ!
あれで興醒めしたのは私だけでしょうか?笑

好きな人が多いのもわかるよ。ゴジラだし。
というかゴジラはよかったんだよね。
邦画予算とは思えないくらいリアルな質感で、ちょっとお目目はくりくりできゃわわ!って感じだったけど、熱線の爆発力もあの轟くような咆哮も、IMAX最高!!って思えた。
でも、なんかそれ以外の部分で結局邦画の悪さ全面に出てたな。
そんなまあ都合よくいかんでしょ、というツッコミどころのてんこ盛り。

典子が電車の中でゴジラの襲撃に遭うシーン、なんでそんなうまくひとりだけ見せ場っぽく取り残されんの?しかもそれで生き残れるの奇跡的すぎない?とずっとつっこんでしまったし。
橘さんがうまいことギリギリに戻ってきてわりとすんなり納得してくれちゃうシーンも、そのあと急に主人公に肩入れし始めるのも、展開が早すぎて全然気持ちがついていかない。
エキストラがへたくそすぎて、民間でゴジラ倒すぞ!のシーンも全然迫力なし。交互にセリフ言ってるよ感。
台詞回しもなんか全部漫画っぽくて、いや現実の人間はこんなかっこつけたこと言わんでしょ〜とずっと思ってた。
いちいち説明口調なのも嫌い。状況説明は台詞じゃなくて画面で見せてほしい。

ゴジラ特攻後の主人公のムーブも、下手に橘さんが機体の上でなんか言いかけた感あるシーンを差し込んだせいでフラグしかなくて、本来感動的なんだろうけど、「でしょうね」としか思えず。笑
てかあのシーン絶対間に合ってないよね。
そのあと空中でゴジラの放射能めちゃくちゃ浴びてた気がするけど、なぜか引きのカメラで見たら姿がなかった。なぜなんだよ!

もう全部がとにかく浅い!!浅すぎる!!リアリティがないに尽きる!
登場人物減らしてでもキャラクターの心情に深みを持たせてくれ!!
登場人物たちの「演技してます」感がものすごかったのって、何でなんだろう…
ゴジラみたいなドデカCGでの合成演技に慣れてないから?それか単に演出のせいか?といろいろ考えてしまった…
山田裕貴の演技は唯一、水島というキャラクターがちゃんと感じられる軸があったように思う。
安藤サクラの使い方はもったいなさすぎた。あの役、必要だったかな?

文句言う時は映画の感想が長くなりがち。
好きな人ごめんなさい。
銀座の爆風シーンだけは評価したいです。
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