想像をはるかに超える、執念。
「海を越えたい。自分の身一つで。」
並大抵の気持ちでできる所業ではない。
情熱や努力なんていう甘っちょろいものではなく、計り知れないほど強い執念が全身にみなぎった女性「ナイアド」の実話。
こんなにも強い女性が実在したことへの驚きはもちろんのこと、生身で海を越えることで、塩や太陽の光により、まるで火傷したかのようにボロボロになっていく顔や身体の再現度の高さにも衝撃を受けた。
もがきながら前に進むナイアドの姿には、畏怖すら覚える。圧倒される。彼女の世界に巻き込まれる。
痛み、苦しみに耐え抜いた先に見えた海岸は、どれだけ美しく輝いて彼女の目に映っただろうか。
理不尽にチームを振り回し、呆れられながらも、最後まで自分の意志を貫き通した偉大な勇気は、多くの人に希望と夢を与えてくれたと思う。
何歳だからできない、諦めるなんて言葉は存在しないのだと痛感した。
沢山の選択肢があふれる今の世の中、なにかひとつだけでも極めることの崇高さがうらやましかった。
夢はいつだって叶えられるのだ。私も、まだまだ長いこれからの人生、彼女のような強さを見習って生きていきたい。
