ねーね

奇跡の海のねーねのレビュー・感想・評価

奇跡の海(1996年製作の映画)
3.7
狂いすぎていて理解できない、けれど間違いなく彼女にとってはそれが愛だった。

ラース・フォン・トリアーには人の心がないのだろうか?
そうじゃなきゃ、こんなにも純粋無垢な彼女を、こんなにも残酷な方法で痛めつけることなんて想像できやしない。

彼女の気持ちに間違いはなかった。何が正しいとも私には言えない。ただ胸が痛くて苦しい。
アメリカ人の信仰する「自己犠牲精神」とはわけが違う。美しくなんてない。賞賛もされない。歴史にも残らない。

でも、確かにベスは奇跡を起こしたのかもしれないね。
それしか救いがないんだからそう思わせてほしい。
せめてヤンはこれからの人生、彼女の分も背負って幸せに生きてほしい。
あんなに不幸せな鐘の音は人生で初めて聞いた気がする。
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