好き嫌いは別にして、間違いなく傑作ですね。戦後になっても、それぞれの「戦争」はまだ終わってない。。。このテーマをゴジラの中にねじ込ませて。さすがです。戦後日本人のDNAに刻み込まれた「戦争の影」。今ではそんな影は存在しないけどね。そんな現代人に伝わったかは分からないけど、基軸はゴジラを通して描かれる人間ドラマ。そこがしっかりと骨太で。割と辛辣なメッセージもあり。「オッペンハイマー」でアレやコレや深読みするより、こっちの方が分かりやすく日本人の心情には伝わるんじゃない？娯楽作としても申し分のない視覚効果。ゴジラの暴れっぷりも見事！あの鳴き声を聞くだけで鳥肌が立つ！不条理極まりないゴジラを我々は只々見ているだけしか出来ない。そもそも不条理極まりないものって「戦争」なんだよね。太平洋戦争のあらゆる闇を集約させたものがゴジラで、そのカタルシスが太平洋戦争そのもので、それを現代人に追体験させるためにこの監督はこの作品を作ったのだと思う。
