健一

怪物の健一のレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.7
「奇跡」「真実」「怪物」。

その正体はーーーー

「誰も知らない」。


フランス🇫🇷や韓国🇰🇷などで作品を撮り続けすっかりインターナショナルになっちゃったなぁーー。😞
なんて思ってたのだが、もう帰ってきた。😅

是枝裕和監督の最新作。
カンヌ映画祭にて「万引き家族」がパルムドール、「誰も知らない」「ベイビー・ブローカー」で男優賞、そして本作で脚本賞を受賞と。
すっかりカンヌの『顔』になった是枝監督。
そろそろ自身が 監督賞 を取りたいところですね!

『怪物だーーーれだ。』

鑑賞後の余韻がハンパない。
完全に「怪物」に取り憑かれてしまった。
是枝監督作史上最高傑作かも。

『事情を知らなかっただけ。』

シングルマザー、小学校の担任、生きづらい世の中で もがく 子供たち。
3部構成でそれぞれの「怪物」が明らかになっていく。

タイミングが悪いだけなのか?
周りの人間を理解する余裕が無いのか?
世の中なんて もう。どーでもいいのか?

みんな大してそんなに悪い事してないのに運命の歯車はどんどん悪い方に転がっていってしまうのは何故?

『これが人生』と諦めた時!
きっと人間は「怪物」になってしまうのだ!

という お話です。😅

少しずつそれぞれの物語が繋がっていくときのあの
『ああ‼️😳』っていう感覚の連続がたまらない。
つまり『映画の醍醐味』が盛りだくさんな作品だということ。
ちょっとダークな「パルプ・フィクション」みたいな感じ。

そしてその物語を包み込むかのように 静かに奏でる坂本龍一のスコア。
流れるたびに鳥肌が立つ。
本作が遺作ということになるのでしょうか?
もう 教授 の楽曲が聴かれないなんて・・・

子供達の飾らない真っ直ぐな演技が素晴らしく 本作が成功しているのは間違いなくこの子たちのおかげ。

『怪物級の演技は誰だ?』と問われたら
これはもう田中裕子さんの圧勝。
今もう日本映画界でこの人に敵う人なんていないよね。😳
『怪物級演技』というか もう「怪物」でした。
安藤サクラさんは安定した いつものうまさ。

批判を買うかもしれないが、永山瑛太はもう少し頑張って欲しかった。
自身の『小学校教員』のパートでの演技は素晴らしかったのですが、その他のパートでの演技と 違和感 があり過ぎ。
もう少しナチュラルに抑えた演技がほしかったかな。

恐らく年末くらいには海外で大変な高評価を受けるのでは。
是枝監督のまさに『力作』でした。

怪物だーーーれだ。

大人の世界 でも 子供の世界でも。
『人間関係』を築くって難しい。
『誰だ』ではなく 人と人との『はざま』に怪物が生まれるのだ!
その怪物に飲み込まれてしまったのは・・・


だーーーれだ。



2023年 6月2日 公開初日 8:15〜
TOHOシネマズ池袋screen 4
💺119席
客入り 4割くらい埋まってた。

公開初日とはいえ。早朝、大風、大雨。
悪天候にも関わらず これだけの動員は大したものだと思う。
☔️🌪️🧌
健一

健一