磨

怪物の磨のレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.8
第76回カンヌ国際映画祭にて脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した是枝裕和監督によるヒューマン・ドラマ。

カメラ・音楽、そして脚本。高いレベルのものが三位一体となった素晴らしい作品。
【怪物】とは辞書によると、“怪しいもの、ばけもの”の他に“性質・行動などの測りがたく、力量の衆にすぐれた人”という意味もあるらしい。怪物たちが集い制作された作品は、やはりそれに相応しい作品になるんだな‥と改めて思った。

3つの章で構成された物語は、シングルマザー、教師、そして子供、登場人物それぞれの視点から同じ出来事を描くいわゆる“羅生門スタイル”の作品。あらゆる物事には様々な側面から見たいくつかの“真実”があることがわかってくる。
羅生門効果自体はもはや珍しくもないが、SNS、不寛容社会…多くの人が自分に都合のいい情報だけを取りいれる傾向が強くなった現代だからこそササる話だったと思う。
あの子の父親(中村獅童)だって幼少期になにかあったかもしれないし、あの女の子だって家庭に問題あるのかもしれない…。そう考えたら頭パンクしそうになってきた。もう考えるのやめよう(笑)

そして磨は、考えるのをやめたー
(まだジョジョネタが…)
磨