おのちん

怪物のおのちんのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.0
川村元気作品

この映画の成り立ち自体、企画プロデュース 川村元気さん(「電車男」「告白」「悪人」「おおかみこどもの雨と雪」「竜とそばかすの姫」「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」)が脚本家の坂元さんと脚本のプロット作りを進めていて、さて監督は誰にしましょうかとなって是枝監督が選ばれたわけなので、上手に練り込まれた職人技の脚本が前面に出ることになってしまってます。(その証拠にカンヌでは監督うんぬんではなく脚本賞)

なので名監督と人気脚本家が生み出す見事な化学反応…というのは特別、感じなかったかもしれません。監督をいろいろ選べる中で、この脚本を是枝監督に撮ってもらうのが果たしてベストだったのかどうか…。

ストーリーとしては、立場によって事件の見え方が変わるっていうのは、最近のベストセラー小説でさんざん見てる(読んでる)し、一体本当の悪人って誰?って考えさせるストーリーは川村さんが過去にプロデュースした吉田修一原作「悪人」も同じだったなと思いながら見てました。

坂本龍一さんの音楽を使うのを決めたのも川村元気さんだし、結局この映画は(この映画も?)川村さんのコントロール下にあった訳なので、川村さんの作品っていう色が濃いんだな〜と思いながら見てました。

最後の草原を走ってるのはいろいろ解釈ができると思いますが、気持ちのいいハッピーエンドと素直に受け取ってる方のレビューも多い中、自分はあれは天国だと解釈しました。

ネットで配信されたら、また見ようと思います!

2023.7.1
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