エンタメというより動くアート
あるいは
宮崎監督からの夏休みの宿題
深い意味はわからないけど凄かった!というのが初見の率直なところ。
宮崎ワールド全開というレビューが多い中、自分は代表的なものは見てますがそこまでジブリや宮崎監督に詳しくないのでそういうのはよくわからなくて、とにかくアート映画としてDon't think! Feelな気持ちで見せてもらいました。
見た人それぞれが好きに解釈してくれればいいよって監督が思ってそうなストーリーの懐の深さや解釈の自由度がある(夏休みの自由研究にいいかも??)。そもそも、新しいお母さんを探してまわるっていうメインの動機も、ほとんどマクガフィンだし。
支離滅裂だけど何か意味あるんだろうな~、クリエイターの想像力・創造力はここまで飛躍できるのか~と唸った部分はホドロフスキー監督(主にホーリーマウンテン)を連想。それと、閉じた世界の大冒険という部分で不思議の国のアリスを連想。
あとは、生と死の此岸と彼岸を往ったり来たりの幻想世界と(宮崎監督はいつもですが)もぐもぐタイムは村上春樹を連想して、「失われたものたちの本」が元ネタの根幹とはいえ、そういうのが渾然一体となってるように感じた。
「君たちはどう生きるか」ってタイトルは宮崎監督がコッペルくんの本を好きっていう以外に、「俺は今まで13個積み上げて(13作品作って)、こんなふうに生きてきた。さあ君たちはこれからどう生きる?」っていう宮崎監督からのラスト(?)メッセージなのかなぁと思いました。
最後の声優リストを見てムダに豪華だな〜と思いましたが、エンタメ作品じゃないから家族で見に来ないし、クチコミも広がりそうにないし、そういうマイナスを声優の豪華さで盛り上げようっていう鈴木さんの商売人としてのバランス感覚?
また何度も見返したい。
2023.08.1