Matthew

怪物のMatthewのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.2
学校でのトラブルから全てが始まる話

ANAの機内で視聴。ジャケットからサスペンスないしはホラーだと思っていたら、サスペンス、ホラーでもなくヒューマンドラマでした。どんな映画かって説明するのがとても難しい…

めっっちゃ面白かったです。予備知識なしで機内の中で何となく観ましたが、一瞬で2時間経っていました。日本映画の良さが詰まっていて、日常の中に非日常が溶け込む世界観、点と点が繋がっていき、物語が進むにつれて、より鮮明になっていく人物像、とても面白かったです。そして坂本龍一さんの音楽も素晴らしかったです。儚げなピアノのサウンドが映画と完全にマッチしていて、よりストーリー、人物にのめり込むことができました。EDで大好きなAquaが流れてきて、うるっとしました。最後のシーンとの親和性が高過ぎてもうこのために作られた曲だと思うくらい素敵でした。

湊意味わからなさ過ぎてお母さん可哀想、と思ったら先生エグくね?いや校長が1番やばくない?と断面的に捉えることで誰しもが怪しく見えるし、それでいて全員怪物ではない、怪物はどこにもいてどこにもいないのだ、ってことが肝ですよね。誰しもが怪物になり得るし、なんならその怪物探してる自分自身もまた怪物になり得るというかもう怪物になりかけてるのかもしれない。SNSとかでよく見る誹謗中傷とか、全く関係ない市民団体からのクレームとかまさにですね、一面的にしか見えないからこそ存分に叩くことができてしまう。嫌な世の中過ぎて自分は性悪説に基づく完全監視社会がユートピアだと思ってすらしまいます…

何度でも観て何度でも考察できる。どんな展開も想像できる、誰でも怪物になれる
Matthew

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