このレビューはネタバレを含みます
是枝監督作品が苦手だと思ってたけど、ハラハラドキドキ、辛かったー。構成がおもしろかった。セリフが全然違和感ない。坂元さんのギリギリ説教臭くならないバランスが好きです。
安藤さくら、瑛太、子どもたち、と視点が変わるたび、「見えているもの」が変わる。
瑛太も校長先生も狂ってて怖かったのに、視点が変わると違って見える。(校長先生はほぼ狂っているけれど…)
世の中はこんなことばかりなんだろうな…かけ違えないで…うまくコミュニケーションとって…と祈るような気持ちで観てました。
瑛太のちょっと気味悪い演技、すごくよかったです。
何より子ども二人の演技が本当に素晴らしかった。
校長先生と二人で管楽器を吹くシーンが美しくて(間抜けな音もいい)、エンディングに向けて悲しくなってしまう。あのシーンだけで、この映画を観てよかったなぁと思えた。
最後二人が死んだあと、「生まれ変わったの？」「変わらないよ」みたいな会話があって、ちょっとだけ泣いた。
フランスだとタイトルが『innocence』で無実とか無邪気とかそういう意味なのだけど、それより原題の『怪物』の方がぴったり。
LGBTQ映画というには物足りなさすぎると思う。
