ちーずとまとりんごちょこ

ミステリと言う勿れのちーずとまとりんごちょこのネタバレレビュー・内容・結末

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「子供って乾く前のセメントみたいななんですって 落としたものの形がそのまま跡になって残るんですよ」

それを信じる整君は色んなものを落とされてボコボコになった、まだ乾ききってない汐ちゃんにカウンセリングを勧めた。

誰もが作り立ての道路のように、ツルツルの大人になれるわけじゃない。

たとえツルツルの状態で大人になれても、道路は色んな要因ですり減って、ひび割れて、穴が開く。

それでも、ツルツルに近い状態で大人を始められるなら、その方がいい。

後に補修するときに、大変さが違うから。

きっと、ボコボコの状態で、あるいはセメントに落とされたものを回収すらできずに、奥深く埋まったまま、固まってしまった大人が沢山いる。

理紀乃助も、ゆらも、新音も、そんな大人の一人だろう。

じゃあ、固まりきってしまったセメントを治す術は無いのか。

私はそんなことないと思う。

削って、壊して、取り除いて、新しいものを注いでも、中々定着しないかもしれない。ボロボロに崩れてしまうかもしれない。

苦しくて、痛くて、果てしない道のりであるけれど。

やりようによって対処できると知っていること。必ずくっついて、より丈夫になれると信じること。

大人だって、できるはずだよね。