ヴァイオレットは、私達だ。
皆、"愛してるを知りたい"と思ってる。
恋愛、友愛、家族愛、隣人愛、愛がつくものが多すぎて、惑わされる。
友情も、恋愛も、その先に形を変えていく愛の違いなんて、未だに分からないままだ。
この映画を何度も何度も観ていると、
逆なんだって、思うようになった。
皆、愛"してくれる"人、幸せに"してくれる"人探しに必死になる。
プロボーズの言葉も、プロボーズする側だけが「幸せにするので結婚してください」って言う。
考えてみたら変な話だ。
このセリフなら、お互い言い合うべきだろう。
だって、される側は、幸せにしてもらうからという条件付きで結婚してあげるみたいだ。
このセリフを言ってくれる白馬に乗った王子様探しなんて、甚だ図々しい気がしてきた。
そうじゃなくて、愛"したい"人、幸せに"したい"人を探すべきなんだ。
ギルベルトは、ヴァイオレットを、
ヴァイオレットは、ギルベルトを、
大切にしたくて、幸せにしたくて、愛したくて、悩み、傷付き、苦しんだ。その先にしか答えはなかった。
逆じゃダメだった。
逆じゃなかったから、2人は"愛してる"を知ることができたんだと思う。
最高傑作の最終章を飾るに相応しい素晴らしい映画でした。