現代では、自己犠牲は良しとされない。
「まずは自分を大切にしなければいけない」
書籍、ブログ、動画、色んな媒体を通して、私達はそんな新たな幸福の基準を受け取り、受け入れ、それが今では世界全体の基準になりつつある。
その基準の延長に、
「私は私、貴方は貴方」があって、
その響きに、頼もしさを感じると同時に、何となく寂しい気持ちになる。
私と貴方にハッキリとした境界線を引いてしまったら、貴方を理解する必要性を感じなくなってしまうんじゃないか。
だって、私は私で、貴方は貴方なんだもん。
理解する必要が無いなら、助ける必要もない。皆自分自身を幸せにしなきゃ。
自分がそんなことを口にするようになるかもしれないと思うと、すごく怖い。
自分のテリトリーから、テリトリー外の離れた人に笑顔で手を振ってても、その手はどこにも繋がる気配がない。
そんな世界は嫌だ。
人助けは、その人の手を握ってあげること、その人と繋がることだ。
その繋がりは、たとえお互いの名前も知らなくても、その先一生会わなかったとしても、切れることはないものだと思う。
「エイミー だだ そう唱えて」
誰かと繋がった時の温かさを、忘れないでいたい。
京都アニメーションの最高傑作。