池松壮亮×寛一郎は流石に自分得すぎるキャストで、これは観るしかないと鑑賞。
時代劇×糞×青春という今までにない組み合わせで、作中に漂う雰囲気や空気感が終始心地良く、ちゃんと物語の中で生きているんだと感じさせる血の通った登場人物たちのキャラクター造形が見事だった。
糞映画だけどクソ映画じゃない。最高。
今まであまり取り上げられなかった江戸時代のトイレ事情が描かれている本作。
ボタンを押せば自動的に水に流してくれるトイレがある現代とは違い、一つ一つトイレに赴き汲み取り作業をしないといけなかった江戸時代。
絶対に必要不可欠な仕事で、彼らのおかげで村の人々はトイレをすることが出来ているのに、糞の仕事と見下されるのは心が痛くなった。
金を稼ぐために糞を担いで移動する池松壮亮と、そんな彼を兄貴と慕う寛一郎の関係性が良かったし、寛一郎に恋心を抱くおきく(黒木華)の姿が恋する乙女で可愛かった。
佐藤浩市と寛一郎の親子二人きりのシーンもあり、見どころが満載だった。
基本モノクロの本作だけど、2、3回印象的な場面でカラーになる演出が良かった。
食事中の鑑賞はおすすめ出来ないけど、最後は静かな余韻に浸れる良作。
