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泣く子はいねぇがのhayatoのレビュー・感想・評価

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
3.9
ずっと気になってた作品。
仲野太賀が良すぎる。自分の観たい太賀要素が全て詰まってた。
太賀ファンは観るべし。(そうじゃなくても観てほしい)圧巻。

タイトルの通り秋田県が舞台で、太賀演じる主人公のたすくは、結婚してもいまいち責任感がなく、幼稚さが残る男。
ある日例年通り参加したなまはげ祭りで、たすくは泥酔し、なまはげの面をつけた全裸姿のまま街を走り回ってしまう。運悪くその様子がテレビで流れ、たすくは妻からも町内の人々からも信頼を失い、逃げるように一人秋田を離れる。

太賀にへらへらした頼り甲斐のない男を演じさせたら右に出る者はいないと思うってくらい絶妙にハマってた。
大人になりきれない格好悪い男の姿が、不器用にそこに映し出されていた。

吉岡里帆の演技もしっかり観たのは初めてだったけど、子を持つ妻としての責任感や逞しさを見事に演じていて、女優としての凄さを垣間見た。

そして寛一郎も凄く良かった。たすくの唯一の親友というか、彼の駄目な部分も全て理解した上で受け止めて、力を貸してあげる優しさや友情がアツかった。
寛一郎、良い役者だなぁ。もっと観たい。
太賀と寛一郎の共演、しかも親友役。自分得すぎた。

娘のお遊戯会を保育園に見に行くたすくだけど、何年も顔を合わしてないから、自分の娘がどこにいるのか分からなくて泣いてしまう場面は胸が苦しかった。
ラストシーンも秀逸で、観賞後もしばらく頭から離れなかった。
主題歌の折坂悠太の「春」も本作とマッチしてて最高に良かった。

個人的に大満足な作品だった。自分は仲野太賀という役者が大好きだと改めて感じた。
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