hayato

mid90s ミッドナインティーズのhayatoのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ずっと気になってた作品。本当に観れてよかった…。

体の大きい兄に組み伏せられてばっかりの少年スティービーが、少しワルなスケボーキッズたちと出会い、少しずつ大人へと成長していく物語。

大量のスケートボードでA24の文字が映し出される冒頭から心を掴まれ、終始夢中になって観賞した。
画質もタイトル通り90年代を彷彿とさせるようなザラザラとした質感(おそらくフィルムカメラ)で撮られていて、劇中に流れる音楽もどれもお洒落で雰囲気含め凄く良かった。

兄の部屋に忍び込んで、聴いている音楽なんかをメモしていくスティービー。自分にも兄がいるから、兄に憧れて聴いている音楽やファッションなんかを真似しようとする気持ちが凄い理解出来たし、いつも組み伏せてくる兄を絶対見返してやるっていう内に秘めた思いなんかにも共感出来た。

スケボーに乗って走り回る年上の悪ガキ集団に憧れて、思い切ってその世界に飛び込むスティービー。スケボーやタバコ、女を覚え、徐々に集団に馴染んでいき、新しい居場所ができる。
レイやファックシット、フォースグレードもみんな何かしら家庭や周囲の関係に事情を抱えていて、思い悩んでいる様子がリアルなティーンそのものだった。

本作のキャラクターの中でも特にレイが群を抜いてカッコ良かった。スティービーを優しく身近で見守るお兄ちゃんみたいな感じ。
自分もレイのように優しくてかっこいい男になりたい。
そして何だかんだスティービーの兄貴も弟想いな優しいお兄ちゃんで良かった。

ラスト、フォースグレードが撮った映画が流れてエンドロールに入る締め方が圧巻で、観賞後はしばらく余韻に浸っていた。
約1時間半と時間も短くサクッと観れるのでおすすめ。最高の青春映画。傑作。
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