ろどちぇふ

君たちはどう生きるかのろどちぇふのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

めっちゃ単純化すれば、自分の悪意と向き合い、友人と交流しながら、よりよい世界を作っていけよ!ということだと受け取った。
①小さなところでは、自分の生きている世界が「あまり好きではない」少年が、他者との交流を通じて成長する話。②大きなとこでは、「悪意のある」石によって形作られた世界の行く末を問う話だと思った。


心の奥にある悪意を隠して他者との交流を厭う真人が、母から贈られた『君たちはどう生きるか』を読んで涙する場面。読み始めた辺りで青い空と緑の木々が映り、清々しかった。
自分の意思で動き始めた真人は、魚を捌いたり、ペリカンを埋めたり、自らの身体を通じて死と触れ合う。遺体の出なかった母の死との対比。
深く暗い場所にこもってしまったナツコを母さんと呼ぶ場面。凄まじい形相で嫌いだと言われても動じない真人が強かった。ヒミが真人をナツコに託そうとするけど“石”がそれを妨げる。血の繋がらない関係を石は嫌うのだろうか。
アオサギも真人同様、美しい姿の奥に悪意を秘める存在。悪意むき出しでケンカして、互いのことがわかっていく。最後に友だちって言われてキョトンとするとこかわいい(笑)


老いた者(たち)が作ってきた世界を形作る石には悪意があった。大叔父は悪意のない石を集めてきたけど、真人は自身にひそむ悪意を自覚してそのことを語る。
ひとには必ず悪意が存在し、その悪意とどれだけ真剣に向き合っていくかが重要である。世界を作る石に悪意がなくても、作る人間に悪意があれば同じことだ。
わたしたちは、これまで先人たちの作ってきた世界、もはや悪意に満ちて崩壊寸前かもしれない世界で生きている。でもこれからの世界を作っていくのはわたしたち自身で、まだ自分のもつ悪意に気がつくチャンスがある。わたしは、わたしたちはどう生きるか。

おわり、って出ないのは続いていく物語だからかな〜とか思った。

ポイント絞らんと語りきれんな。いわば必要悪として連れてこられたペリカンとか、石を拾ってきたこととか考えたいとこは色々あるがとりあえずここまで。1回目と2回目でジンとくるポイントがあまり変わらなかったのは面白かったけど、2回目のほうがよりしみたな。