Sam

君たちはどう生きるかのSamのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

⚠️メモ帳にどわーっと書き留めただけのレビューにもならない駄文⚠️

自分が勝手に宮崎駿氏から次世代(若い人々)へのメッセージが込められてる映画なのでは?と思い、その面持ちのままで劇場に足を運んで観た。
なんとなーくだが登場人物やストーリーを「何か」に当てはめることで理解?はしたけれど、それが正しいのかは分からないし、正解はないだろう。
でもこの作品を映像も音楽もストーリーも全部楽しめたし、ジブリ作品の中では一番好きなくらい。2番目は風立ちぬ。
大前提として私は「生と死」「時代の変化」「歴史の繰り返し」というテーマを頭に置いて観ました。

🌏眞人のキャラクター。母親の死から生に執着もなにもない、感情も表に出さない、「素直じゃない生意気な子」という印象。ただ序盤から眞人の賢さは表れていた。

🌏塔の世界に訪れることで、彼は死と生を体験する。それは裕福な家庭で恵まれた環境にいる、戦争と掛け離れた場所にいる眞人にとっては真新しいし新鮮で残酷な経験だった。自分より大きい魚を捌く、愛らしい生き物が儚く散っていく、鷺の死を見送る、自分自身が食べられそうになる…。
しかしその一方で、眞人の感情は豊かになる、どんどん素直になっていく、青鷺と喧嘩して怒りを表す、空腹から食事をがっつくように楽しむ、生きる喜びを感じていく。
下の世界で体験したことによって眞人が「人間らしさ」?のような、徐々に生き始めたのが描かれてて好き。
引っ越す前とか過保護な親の下で育った眞人はどんな風に世界を観ていたんだろう。

🌏可愛い鳥たちがポンコツっぽくも欲に塗れた残酷さを持っており、下の世界も現実も一見変わりのない世界なんだと。弱肉強食で残酷だけど素敵な景色を眺めることができる。

🌏夏子が迎えにきた眞人に「嫌い」と言うシーン
一瞬戸惑いを見せたなとおもったら…
夏子が正直じゃないことを、同じ状態だった眞人が気づくの良かった…。そして自分から開くこと(素直になること)で夏子を落ち着かせるのも良かった。

🌏下の世界のルールはもっと考察したい。なぜ身籠った母は下の世界でで過ごさなくてはいけないのか?他に何かルールはあるのだろうか?
世界の理(隕石との契約)と大叔父さんの後継問題、子供がまるでその世界の歯車の一部にされるために生まれてくるようで…。下の世界の理の「そうあるべき」に不安定期の魔に刺された夏子さんが引かれていったのか…。今思えば、姉の産んだ息子の母親になるのと初めて授かる子供の母になるって夏子さんも大変じゃない?

🌏眞人と大叔父さんとの会話シーン
あの空間自体、大叔父さんも眞人のような若者だったが、結局自分で創り上げてしまったものに結局は縛られてしまって、ただ老いていき、あの塔のてっぺんで下の世界を見守り続けているだけ。

🌏眞人は賢い。自分が傷つけた頭の傷が「穢れ」であり、自分は大叔父さんと同じように塔を建てられても同じ結果になると理解していた。自分の中に悪意でありエゴというか、その可能性があることを自分でわかっていた。人間だもんな。インコ達が「天国だ…楽園だ…」と感激していたが、それは塔の天辺だけであって、眞人もそれを見たから「自分だけが幸せに過ごすなんておかしい」と思ったのかも。

🌏下の世界と現実世界の状況は何も変わりがない、と悟ったから眞人は現実世界で生きることを選んだ。父親、新しい母親、そして生まれてくる兄弟の為に。どちらの世界でも

🌏下から上へ上がり、「産まれる」という世界観が好きだ。ワラワラもDNAの螺旋のように上へ上がっていくの素敵だった。精子みたいな木霊のような霊的な生き物で、ケセランパセランみたいな。

🌏インコの王が積み木を倒してしまうシーン。
馬鹿はすぐ行動してしまって、賢いものは動きを待つような…。この世界もインコの王のような何も考慮してない奴らが崩していくのかなあ。この世界は何者かが維持しているが、それを崩すのはその世界に住む者どもだっていう…?

🌏おばあちゃん達の木彫りの人形がお守りとキリコさんが言っていたが、もし眞人に心配してくれる人や気にかけてくれる人がいなければ、塔の守人になっていただろうと仮説を立ててみる。

🌏みんな子供の頃に摩訶不思議な体験をして、感情が豊かに満ち溢れてたんだろうな。それをみんな忘れてしまう、青鷺が消えてしまったように。子供の頃の遊び場、どんな遊びしてたか、どんなふうに世界を見ていたか、大人になると思い出すのも一苦労。

🌏宮崎駿の描く母親像?女性像?に何かしらフロイトのコンプレックスを彷彿とさせる…。

🌏なんか最終的に「せいぜいお前らでこの世界を生き抜いてみよ」って映画だったなと鑑賞から1日空けて、そう思った。 

🌏岡田斗司夫先生や他の方のレビューを観ようかなと思っているが、自分の受け取った感情とか解釈が上書き保存されてしまいそうなので、余韻に浸ってから観ることにする!
追記:駿にもわかんない映画なら、この作品を「どんな風に思考解釈しても良い作品、正解のない作品」とし、これからずっと「あれはなんだったんだろう」で生きていきたい。そして自分の中での映画とは自分の想像力や思考する際のツールなのかもしれない。
Sam

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