Sam

バービーのSamのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

英語で観たけれど、内容ちゃんと理解できたか不安なのでここで纏めさせて🙃
随時更新するかもしれない。

🩷バービーとケンの物語がこれから始まるぞ!って映画で、映画のオチがとっっても締まってた!し、人形のバービーにはできないエンパワーメントだった!

🩷バービーランドのプラスチックとおもちゃ感がなんともいえない完成度で観てて楽しかった!肌がプラスチックに見えてくる不思議さと、バービーランドの異常さ?も同時に味わえた。

🩷バービーランドという女尊男卑の世界
現実世界という男尊女卑な世界
この対比が面白かった。
バービーゆえの特権と男性として生まれたことによる特権。
人形として毎日幸せに生きるバービーたちと人生で「ごっこ遊び」を強いられる人間。

🩷バービーとケンが和解するシーン「毎晩ガールズナイトじゃなくていい、ボーイズナイトもあってもいいよね」に自分が望む世界を垣間見た。優劣とか権利を持ちすぎだとかそういう世界じゃなくてバランスよくあってほしい。状況が180°変わるわけじゃない、いきすぎたフェミニズムや変化を恐れるのではなくて現実でもこういうマインドの人が増えて欲しい

🩷バービーが子供の笑い声や自然なんかの周りを見渡したり、人間の複雑な感情を体験するの、まさに人間の辛いところで特権だよなと思った。確かに現実は思っている場所じゃなかったかもしれないけれど、それでもバービー「生きてる」に幸せを感じてた。

🩷バービーで遊んで育った人間ではないけれど、この映画でバービーの人形の種類に度肝抜かれたし、カメラ付きバービーとかそういうweird Barbieをもっと知りたい!ってなった。

🩷Depression Barbie、こういうバービーやったら欲しいって思っちゃった。

🩷バービーたちとケンたちを苦しめていたのはRepresentation(与えられた役割)であり、そのRepresentationに救われていたのは現実世界の人間だった。そしれバービーのexistential crisisは見てて辛かった。「私はstereotypical Barbie。医者でもなければ弁護士でもない。自分が何者かわからない。」でもバービーが存在してくれたことに意味があった。あなたも私もそれに尽きる。そしてこのテーマはケンの物語にも繋がる。

🩷Masculinityとケン
ケンの存在価値はバービーがいてこそという固定概念があり、そのアイデンティティはケン自身に属していない。現実世界のpatriarchyに影響されてしまうが、それもまたケンたち自身のidentity crisis故のカオスだったと感じる。
そしてケンたちはケンのままで充分だ。存在していることに価値がある。ケンたちが好きになりました。シムリウケンが一番好き。
ケンが大泣きするシーンとか、この映画が女性だけではなく、男性のtoxic masculinity や感傷的になることは悪いことではないとちゃんと描写してたことがとても印象に残ってる。

🩷Ruth Handler が自伝本Dream Doll: The Ruth Handler Storyで「バービーの哲学はバービーを通して、女の子たちが何にでもなれることを伝えている。バービーは女性にも選択することができるというレプレゼンテーションです。」
この意図があったからこそ、色んなバービーが生まれたけれど、それは資本主義的に言えばお金になる様なアイデアでもある。そしてそうやって色んなバービーが生まれた結果、マーゴットバービーが自身のアイデンティティに悩まされることにもなったのかと。だからこそマーゴットバービーが原点回帰として「自身でなりたいものを選択する人形=人間-ordinary person」になることにしたんだと解釈

🩷エンドロールのバービーたち、商品の紹介かと思いきや、新しい要素が追加されてたの良かった!特に双子の赤ちゃん抱えてるバービーが一緒に泣いてる表情になってるのとか。

🩷最後の産婦人科gynecologist に行くというオチ、女性器と女性の身体の健康ってバービー「人形」が唯一レプレゼンテーションできないものだし、啓発出来ないものだったのが、人間になれたことで啓発できたのかなあって。
Sam

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