ねまる

マダム・ウェブのねまるのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
3.6
一言でヒーローと言っても、色んなヒーロー像があることをMCUやDCEUその他アメコミ以外の作品でも描いてきたと思う。その中で、スパイダーマンのヒーロー像を象徴するのが、"大いなる力には大いなる責任が伴う"というもの。

マダム・ウェブには、まだ大いなる力は宿っていないが、ほんの少し手にした予知能力でなんとか目の前の少女たちを救いたいという正義感がスパイダーマンのヒーロー像と一致していた。救急救命士というキャシーの職業や、タクシーや救急車など身近なものでなんとかしようとする必死さが応援したくなる。
少女たちも、それぞれ大きな社会から守られない事情があり、そんな4人が協力し合い襲いくる脅威に立ち向かう女の子たちのチームアップ感が、ワンダーウーマンやキャプテンマーベル、スカーレットウィッチといったすんごい力の女ヒーロー像とはまた違い新鮮に感じて良かったと思う。

将来僕の富と力を奪いにくるやつがいるから、少女たちやっつけなきゃというヴィランは、もうちょっと彼が得た名声の場面があっても良かったと思うが、女の子たちの話なので、私利私欲の悪いやつに徹してもらいましょう。車に何度轢かれようが、吹っ飛ばされようが、可哀想と思わずに済むしね。
悪役としての魅力をタハール・ラヒムに頼り過ぎさは否めない。タハール・ラヒムは良い。

未来予知による未来なのか、現実なのかわからなくする演出や、夜のアクションシーンの見えずらさはあったにしろ、今までヒーローとして見てきたスパイダーマンのシルエットを、ちゃんと恐怖の対象として見られたのも驚き。キャシーが家の壁をよじ登ろうとする場面は愛おしかったね。
SJ・クラークソンのらしさが出てたと思う。

アダム・スコットのベン・パーカーの、キャシーに巻き込まれながらも終始善人で、支えない彼女たちの安らぎだった。甥っ子が産まれようとしているところ、というのもスパイダーマンファンには堪らないし、このピーターが、キャシーたちとどう繋がっていくのかも気になる。

ヴェノム、モービウス、マダムウェブ、、、
いいんだよソニー。これくらいの軽さで。
ヴェノム3、スパイダーバース3、クレイヴンザハンター、これからも楽しみにしてる。
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