ねまる

切り裂き魔ゴーレムのねまるのレビュー・感想・評価

切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)
3.6
「傍観者であれ、加害者と同等の血を流させることになる」byラクタンティウス

主人公はこの言葉を、犯人を逮捕できない者は殺人と同等の罪だ、と考え自らの戒めにしているが、これはショー、そしてこの映画の観客にも明確なメッセージになっている。

劇中ダグラス・ブースが喜劇として演じる悲劇のヒロインの物語や、身の毛もよだつような殺人事件の現場の野次馬、そんな話を好んでみる我々にも。

1880年代のイギリスの世界観と、殺人鬼を巡るミステリー。表現が過激なので目を伏せてしまう場面もあるので、鑑賞には注意。



-----ネタバレ-----

貧しい生まれ、虐待され育った子が、
幸せになる物語には救済者が必要?
社会への復讐者が、若い女の子であったっていいよね。オリヴィア・クックがこの役をやることが意味がある。
彼女が願った"自由に生きたい"とはどんな風だったんだろう。社会が彼女から奪ったものは?

彼女がやったと知らしめることが、彼女の狙いだとしても、そうしないと、サム・リードが報われなさすぎる。
気付いてしまった主人公ビル・ナイが切なくて良かった。
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