ｽﾀｲﾘｯｼｭな構図とｶﾗﾌﾙな衣裳
すべてのカットが
ﾎﾟｰﾄﾚｰﾄになるような美しさ。
CMクリエイターである
監督ならではの
叙情的でパッションにあふれた
映像のﾐﾙﾌｨｰﾕがとても心地良い。
ｳﾞｨｼﾞｭｱﾙ・ﾌｧｯｼｮﾝ共に鮮やかな
ｱｰﾃｨｽﾄとも呼ぶべき役者たちの
中で一際 存在感を放つのが
松本まりか。
ドライなのに粘着質。
メロウなのに激情的。
作品に1本骨を通す
ザ・女優。
2組の女性のパラレルストーリーが
同時展開していく中で
女性なら誰もが体験するであろう
【嫉妬・羨望・復讐・解脱】の
輪廻が胸の奥にしまってあった
痛みと優しさを掻き乱す。
走る・踊る・叫ぶ…
正しさや理屈を超えて
衝動に駆られた時
もうどうしようもない時
アイスクリームの冷たさが
甘さが、そっと冷まし癒してくれる
「アイスクリームって無条件に
人を幸せにしてるよね…」
人生の様々な逆境を、無常を…
そして、幸せを
見守って寄り添ってくれる
アイスクリームのような“何か”。
いつかは溶けて消える
そんな“刹那”が、また人々を
次のステージに後押しする。
「百万年 君を愛す(アイス)」
最後のその台詞で
一気にそのボルテージは昇華して
あっけなく幕切れを迎える。
エンディングテーマの
小沢健二の歌声。
年を経て優しく・甘く進化していて
スッと心に染みた。
冷たくて甘くて、少し酸っぱい
アイスクリームのように…
