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BAD LANDS バッド・ランズのnori8のレビュー・感想・評価

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)
3.7
安藤サクラと山田涼介の
約2時間半におよぶ
ほぼ“2人芝居”。

どんなジャンルでも
関西弁が主たる作品の場合
演技の上手さより
言葉のイントネーション・覇気
つまりリアリティで成否が決まる。

その意味では
山田涼介➡️秀逸
安藤サクラ➡️惜しい、もう一息!

とにもかくにも
原田眞人監督ならではの
色や構図のこだわりは見事。
今回は特に
ドリーカットの多用で
役者の躍動感・疾走感を
終始キープしつつ
表情はアップで丁寧に…
メリハリのあるカット割りで
リズム良く飽きさせない。

常々、二宮和也と山田涼介は
“憑依型”の芝居巧者だと
感じていたが…
今回の山田涼介は
まさに、ハマり役。
正気の裏に潜む恐るべき狂気
=“サイコパス”の表現力は
鳥肌モノだった。

でも、何だかんだ言って
今作品の最優秀男優賞は
宇崎竜童さん、アナタです。
神々しいほどの人間臭さ
もはやセクシーの領域の無骨さ
底なしの“妖怪”です。

幾度となく出てくる
コーヒーの砂糖を
延々とかき混ぜるシーン。
見終わったらすぐに
コーヒーが飲みたくなる。

苦味と渋味、そして妖艶な甘味が
心に残る痛快なエンタメ作品だ。
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