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ザ・キラーのSSDDのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.7
◼︎概要
複雑すぎる世界をシンプルに考え、成功するためにという自己哲学を全うする男は殺し屋を生業としていた。
ある日周到に計画し、長期間かけて標的を殺害する機会を伺うのだが…。思わぬ失敗をしてしまい、その応報に対して行動に出る。

◼︎感想(ネタバレなし)
ファイトクラブでは独特の映像美と世界観で、物質主義に囚われた人間に問うような作品を描き出し、セブンではサスペンスの金字塔と言われるほどの重厚で残酷な作品を仕上げた。そんなデビット・フィンチャーが描く、暗殺者とはどんなものか楽しみにしていました。

独特のエフェクトをかけて、アップにしてブラーがかった状態で様々な暗殺準備またはステップを見せる映像から始まるが、暗殺者の独白による独特の哲学、様式美を淡々と見せられあまり息を呑むような展開はない。

感情的影響を避け予測し慎重に行動したがる男が、物事を終わらせるために淡々と行動していくのを見せられる作風。

あまりにもストレートな作品で、裏社会に生きる人間の行動というものには多大な金がかかるなとか、後ろ暗い仕事には安息はないなというありきたりな感想しかでない。

食事や運動のボディコントロール、マインドの持ち方など暗殺者の考え方は面白いものの、話が進むにつれチグハグな話にみえて没入観は低かった。

それでも映像作品の優秀さから一定観てよかったと思わせる本作品には監督の手腕が素晴らしいといわざるを得ません。












◼︎感想(ネタバレあり)
・皆主人公の最愛の人を放置しすぎ
襲われた最愛の人に対して病院を移すだけで、護衛もセキリティも大丈夫なのかよくわからん。そしてなぜ顔を見られたのに、キン肉マンと綿棒は殺さなかったのか意味がわからない。

・組織?
通常ホッジスという弁護士あたりが殺されたら組織的には主人公に報復が及ばないのかものなのか?
PCを破壊してあの名刺入れの情報を抜き取ったから、綿棒、キン肉マン、秘書、弁護士の殺害については繋がらず、住所の割れたセーフハウスでのんびり暮らせるものなのだろうか。

少なくとも住居は変えないのかなとか、組織が脆すぎることや、あれだけ仕事の時に厳しく律する主人公にしては思慮の浅さが気になってしまった…。

・総評
オープニングの他の暗殺を何件か見せた上で失敗というのを見せて、2時間以内に収めて欲しかった。キン肉マンとのファイトが唯一のアクションと見せ場は少し弱いなぁとは思うものの、よくできた作品ではありました。
暗殺者は経費が兎角かかりますね、割に合うのだろうか。
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