イベリー子豚

サイド バイ サイド 隣にいる人のイベリー子豚のレビュー・感想・評価

3.4
試される映画、ふたたび。


監督には
「商業的」とか「一般ウケ」のステージに
帰って来て(?)欲しいです。


スーパー【Yaffle】サウンド以外にも
確実に「何か凄い」を秘めてることは
今回も間違いないんです。

でも
余りにも不親切で、
「分かる人にだけ伝われば」が過ぎます。


今後も
「#私こそ【A24】だ」に、果敢に
挑戦を続けていくつもりなら
もう少し手法を変えた方が良いでしょう。


前作は
「ボタニカル」「こどおじ井口のおしり」
「メロ・エロサスペンス」
「自意識と立身のファッショニスタ」「うさぎ」。


本作は……そうね、
「地産地消」で「糖質・脂質ゼロ」の
「化学調味料不使用」「オーガニック」を
「新進気鋭作家の一点モノ5万6千円の大皿」に
「ワンプレートでスタイリッシュ」な
盛り付けをした感じ。


『リトル・フォレスト』を
【ナショナルジオグラフィック】で
一級建築士が『菊次郎の夏』に魔改造したら
『黄泉がえ』るし、トンネルが『MEN』だし
『LAMB』ならぬ
「ニャーでモー」なラストで
ひとまず、お腹いっぱいではあります。



要素は多いけど、ナチュラル志向で
シンプルな薄味。

ちょっと全部は食べきれませんね。

そもそも
調理や食事シーンが多いのに
(全然、食欲を掻き立てられない)
料理の数々にフォーカスしないのも
「おこだわりの1つ」なのでしょうか。



しかも
一瞬、スリラーや情事の隙は見せるけど
決してそこを掘り下げない
絶望的なサービス精神の無さ。

果たして
【辻千恵】さんのNTRはどこへ?

「小さな子どもがいる家とは思えない階段」や
「《美しいに美しい》……とは何とも業の深い」とか
クイズTHE違和感もなんのその。


メタファーも考察も
自分だけの楽しみで散りばめちゃダメなのよ。

ライトユーザーが気付けるギリギリを攻めるのが
プロなのよ。


こうなっては、折角の
才能しかないカメラワークと
インテリア、ファッション、アートセンスも
「間を詰めない」「浮世離れした会話劇」の前に
眠れる森へのBGMでしかありません。




毎回、「強めのキャスティング」に
釣られて劇場へは行くワケですが
連戦連敗では「分が悪すぎ」かな。


監督には一度、「漫画実写化」あたりで
「俗世の感性」を擬似体験していただきたいものです。



それにしても
【千葉雄大】氏、【横浜流星】ちゃんに続いて
【坂口健太郎】君も
「坂道」公式ボーイフレンド認定のようで
羨ましいことこの上ないですね。