何の気なしに郊外へ休暇を楽しみに行った家族が、世界の終末のはじまりを目の当たりにすることになる話。
あくまでこの時代の現実に本当に起こりそうな、説得力のあるタッチで描かれているからこそ、ほんとにおっかない。
大型船の座礁に始まり、不可解なことが起き続けるも電波が一切繋がらず情報も無く、そのうえ一家は見知らぬ親子と共に過ごすことになる。
そんな状況下での他人とのコミュニケーションでの探り合いとか、感じる不安や恐怖とか、そういう描写もリアルだった。
それに、終盤である隣人によって明かされる事実(噂)に対してジョージが口にするひとつの説は、かなり理にかなってるし、本当に起こりうることなんだろうなと感じてめっちゃ緊張した。
最後のキノコ雲を遠くに見た瞬間なんて、ああ、いろんな出来事から最悪の事態がチラついていたけど必死で目を逸らしていたのが、もうどうしようもなくなったんだ、っていう、大切に守っていた希望が手のひらからスルッと落ちていったような瞬間が生々しい。
それはそれとして、ラストのローズのシーンは流石にニヤけちゃうね。求めていた希望を見つけた人もまたひとり。