不穏さを伝えるあまりに作為的な序盤はもう少し描写が自然になったのでは、という感じもするし、だけどこの映画で1番の肝は人間同士のコミュニケーションの難しさにも見えるから序盤が見応えがあったのも事実。しかしそのサスペンスな流れから割とストレートに物事が進んでいってなんだか穏やかな着地に。
受け止め方が難しい。ライフライン、ネット、物流などの混乱によってどれだけ社会に壊滅的な被害が起こるかということや人間たちはいかにそういった状況に弱いか等、その教訓めいたメッセージや皮肉だとしてもこれが現実的かどうかもイマイチわからん。1番面白いのはこういったジャンルの映画は「地球のトップの強国」であるアメリカだからこそ描かれるデフォルメのしやすさにある。国家と人というものがカリカチュアライズしやすいからこういった映画が作りやすい。エンタメ強国の理由の一つ。
映画自体はそれほどでもないんだけど、ただ、この激動の2024年正月にこの映画を見て、そのただならない不気味さは心に残る。ジュリア・ロバーツやイーサン・ホークの演じる典型的白人像はかなり好き。
(それにしても人間にとっての歯というものがどういった意味を持つのかはものすごく考えさせられるし面白い)
