SSDD

レプタイル -蜥蜴-のSSDDのレビュー・感想・評価

レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)
3.4
◼︎概要
優秀な刑事は過去に遺恨がある古巣から引っ越しをして新たな土地で、殺人事件を担当する。数十箇所の刺し傷、怪しげな古びた車、被害者を殺害の動機を持つもの…複雑に絡む事件は自身の生活へも影を落としていることに気づく…。

◼︎感想(ネタバレなし)
間の取り方やカメラワークの独特さが際立つサスペンスだが、いかんせん長過ぎる…。必要な部分だけで音楽を流して緩急付けてるが、かなりサスペンスとしては王道。主人公が隠された闇に徐々に気づき始めるのだが、ある程度加速度は欲しかったかな。

登場人物の一部は結局はどうなったとか全て詳らかにされていない気もしてもやもやしてしまったが、気が抜けない最終局面付近は何気ない言動に恐怖を感じれた。

映像美と気骨のある主人公、ネオウエスタン的な作品が好きならば楽しめると思います。










◼︎感想(ネタバレあり)
・タイトル
"陰険・薄情・冷酷・酷薄といったジメジメした性質というイメージで捉えられる"というスラングとして意味がある。
アメリカでは動物に例えることがあり、foxyは"狡猾"、piggyなら"貪欲"など。

まさに陰湿でベットリと金のために正義を捨てた人間達が暗躍し、その繋がりがどこまで広がっているか見えない感じはよかった。
特に上司の家で探していた車両が見つかった後の帰宅時の緊迫感。
相手が殺意を持っているのか、立ち去るまで全く読めない展開は素晴らしい。

・類似作品
私の好きなフェイクシティ。
真っ直ぐに自分の思う正義を全うしたい男と類似性を感じる。単純なドンパチが多い分わかりやすく、キアヌのタフガイを楽しめるため毛色は異なるが記憶には残るしエンターテイメント性は段違い。
やはり一定量テンポがないとどうしても記憶にも残らない気がする。

・総評
悪くはないが既視感のある作品な分、テンポが遅すぎるのと釈の長さをもう少しなんとかして欲しかった。
人物像を丁寧に描き相棒の心境変化なども描いてはいたが、どうにも淡白な主人公と対比して熱さがあるとか緩急が欲しかったところ。
しばらくすれば忘れてしまいそうですが、緊迫感の強さはかなり優れた映画でした。
SSDD

SSDD