コマミー

ディープブレス 呼吸、深くのコマミーのレビュー・感想・評価

4.1
【呼吸の限界に挑む者とそれをサポートする者】





"アカデミー賞"の授賞式が近いと言う事で、皆さんが思い思いの受賞予想をしている所だと思うが、"ノミネートが噂されながらも外れてしまった素晴らしい作品"もたくさんある。
その一つがこの"Netflix"ドキュメンタリー「ディープブレス呼吸、深く」で、この作品は"A24"が製作に参加しており、"サンダンス映画祭"にて高く評価されたドキュメンタリーである。

"フリーダイビング"の世界に関しては、リュック・ベッソンの「グラン・ブルー」で出てきた仏のフリーダイバー"ジャック・マイヨール"やジェームズ・キャメロンの「アビス」なんかなど、映画の世界を通して触れてきた方は多いであろう。
しかし、このドキュメンタリーを見た瞬間、その挑戦が如何に"危険と隣り合わせな事"なのかが分かる作品になっていた。「グラン・ブルー」でも、ジャックのライバル:エンゾのエピソードを通してその危険性が分かるものとなっていたのだが、呼吸が薄まる深海に命懸けで挑むこのドキュメンタリーに出てくるあらゆるダイバーを通して、臨場感と共にリアルな葛藤の姿を見る事ができた。
そして、このダイバーたちがなぜこんな危険と隣り合わせなことを"続ける事ができるのか"…まさに"探求者としての魂の声"を聞けるドキュメンタリーでもあった。

そして、第二の主人公と言っていい"セーフティーダイバー"の存在。"潜る者とそれをサポートする者"…2人のコンビネーションによって打ち出される世界記録樹立の瞬間は、何者にも代え難いと思うし、フリーダイビングの世界に於いてセーフティーの存在も絶大なんだなと感じた。

最後に、本作には"日本人のダイバー"も登場する。その名も"廣瀬花子"…本作の主人公の1人である世界記録保持者"アレッシア・ゼッキーニ"のライバルとして登場する。日本にもこんな素晴らしいダイバーが存在するなんて感激としか言いようがなかった。

「グラン・ブルー」でジャックやエンゾの姿に感動した人も、フリーダイビングの世界を初めて知る人も飲み込める事間違いなし。アレッシアやセーフティーの"スティーブン"の姿を通じて感じる、「死と隣り合わせの世界の姿」…こんな作品が配信で見れるだなんて、感慨深いものだと思った。

これは見ないと損です
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