この物語は優等生ほど嫉妬深く壊れやすいってことを鋭く捉えていて、日本人の多くは痛いところを突かれて身に覚えのある人が結構いたんじゃないかと、偏見がひどいですけどそう思いました。
観客の多数がハウン側の人間で、自由に生きたいと願いながら現実と折り合いをつけているんだと思うんです。親の期待に応えようとするのもまさにソレ。そういう窮屈な生き方しか出来ないハウン側の人間は、型にハマらずクリエイティブな夢を追い自由奔放に生きられる人に憧れる。物語の中心はミソにありながら、鑑賞者の多くがハウンに共感して、ミソの魅力に惹かれ、彼女の不器用な愛に涙する。
ホテルのラウンジでの喧嘩シーンは、彼女たちが各々歩んできた人生を象徴するかのようなシーンでとても好きでした。ハウンはミソに嫌悪を抱きながら同時に憧れも抱いており、大好きなのに大嫌いという心がグシャグシャになっていく様子はこちらも心を抉られます。
オリジナルに比べオシャレで見やすく、幼少期のお風呂シーンは爽やかに、大人になってからのブラマウントシーンはインパクト薄めでしたが、人が持つ美しさと醜さ、強さと脆さを映し出すこの物語がやっぱり好きでした。
