嘘とリコーダー

哀れなるものたちの嘘とリコーダーのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
めちゃめちゃ面白かったです。

女性の主張を描いていた気がします。また、女性(大人)にしか分からない面白みも含まれていて、おかしかったです。

最初はファンタジックで奇想天外な世界観に戸惑いましたけど、作品のカラーを心得てきた中盤以降は夢中で観ました。

このファンタジーな世界がオチにも繋がるのですが、これが実に愉快で爽快です。ここで私は完全にやられました♡

知恵を得て成長しても最後まで一貫して純真無垢だった主人公が魅力的で、ある場所で出会ったある人物が、ラストの場面でさりげなく隣に座っていたのも先鋭的で良かったです。

嫉妬は独りよがりな身勝手な愛であるとか、ほんとの愛は寛大なものであるとか、そんなメッセージも受け取りました。

なかでも、本を奪う者が居る一方で本を差し出す者がいる構図が今でも強く印象に残っています。

SEXシーンは多いですけど、男性より女性が好きな作品だと思いました。

一幕毎のタイトルバックも芸術的でステキでしたし、エンドロールの美術鑑賞も楽しかったです。観ないで帰られる方は損していると思いますし、他の方の鑑賞の邪魔になるので気をつけて欲しいです。