このレビューはネタバレを含みます
実家にトランペットが3本ある身なので、トランペッターが換金したあとに最後にもう一度吹かせてくれないかと懇願する場面で早々に泣けてきて、同回の周りの方たちからすれば、なんやこいつだったと思う。
その分、締めくくりの粋さは誰よりも感動的だったはずだし、良き余韻をもらえました。
本作には見せ場が大きく3つあり、名作を観に来てしっかり満たされた名シーンの数々でした。
ほんとどれも好き。
いわゆる名シーンではないけど、1900がまだ決定打になる言葉を発していないのにも関わらず、すべてを察してマックスが泣き出してしまっている終盤のシーンは隠れ名シーンだと思う。
マックス自身の決心も見え、超越した優しさを感じました。
一番の輝きを知っているから、どんなときも船を降りなかったことを知っているから、浮世離れした感覚の彼をずっと見てきたから、止められるはずもないと悟り涙しているこの場面は、残酷でもありますが、二人の友情が眩しく映りました。
親友の生き方を尊重し後悔を背負ったトランペッターのお話でもありました。
エアーで弾く最後のピアノが美しかったです。
好きなセリフ「僕の音楽は誰にも渡さない。」