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バイオハザード:デスアイランドのslowのレビュー・感想・評価

2.8
【中身スカスカ!脳筋キャラ達によるお祭り長編CGムービー、第4弾!】

『バイオハザード』の映画は現在いくつもあってゴチャゴチャしてるが、映画だけでまとめると大きく分けて3つ。

・ミラジォボ主演のバイオシリーズ
・ヨハネス監督作の『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』
・原作ゲームの正統続編シリーズ

こちらは原作ゲームの正統続編シリーズの最新作であり集大成。
「今までの原作ゲームに登場した主役達が勢揃いする」というアベンジャーズめいたコンセプトで制作された作品。
原作でもめったに揃わないので原作ファンにとっては大興奮の一本になるはず!、だった…。

今作は原作バイオ3以降、主役の座にならなかったジル・バレンタインをメインに据えて物語が紡がれているのでジル推しの人はスロー再生しながらじっくり彼女の美貌を堪能できる!

…え?
キャラじゃなくて内容を教えろって?

残念ながら今作の見どころはジルの美麗なカッコよさ。
それ以外、無い。

まず前作の良さが今作には無い。
前作『バイオハザード:ヴェンデッタ』のいい所は“痺れるガンアクション”だ。
どうすれば爽快なガンアクションを観客にお届けできるのかを徹底的に考え抜いたこだわりある多芸なガンアクションが見応えあった。
しかし、今作にも爽快なアクションはあれどそのほとんどが予告編の映像で使いきってしまっている。
なのでアクションの新鮮味は薄めに感じた。

そもそもガンアクション自体、前作よりもかなり劣る。
なぜか、今作は銃を撃つ人物だけ映して撃たれたゾンビやクリーチャー達は映さないというおかしなアクションシーンがひたすら多かった。
おそらく制作陣は“ガンがアクションする”だけを見せたくて見応えあるガンアクションを魅せる気がない、というか今回は銃を扱う敵キャラがいないからガンアクションを魅せる作品としては作られていないのかも。

せっかく主役が勢揃いしてるのに一人一人の見せ場があまりなく、中盤からはジルに頼りきってしまっている。
それならいっそのこと、ジルオンリーで話を進め、クライマックスで他の主役達が応援で駆けつけて大集合させたほうが盛り上がったのでは?

最初から最後まで「映画」っぽい見せ方をしてないし、「アクション映像作品」としても見せ方が上手とはお世辞でも言えない。
ただずっと最新ゲーム機のムービーを見せられてるかのような退屈な時間だった。

またモンスター好きであり、
悪役好きでもある私だが、
今作はどの要素も物足りない。

ゾンビは動きがしどろもどろなだけで「おっ」と思わせる登場の仕方は一切なくゾンビとの揉め合いはひたすらグダグダなだけ。
ゾンビサメやリッカーも出てくるが、オマケ程度。
ラストのデカブツはただ尻尾を振り回して近づくだけでとくに面白い動きも能力も無い。
だからモンスター映画としてもマイナス。

また今作の悪役は頭がイカれてて過去の設定もひねってはいたけど、所詮は小物。
部下の女は前作からの再登場で個人的には嬉しかったが、肉弾戦オンリーなので面白味が薄い…
あとなぜか知らないが、敵の女部下の立ち位置とやられ方が『トランスポーター2』の女殺し屋とまったく一緒。

今作はもうひたすらジルの美しさに見惚れる以外にこの作品の良さを伝えることができない。お詫び申し上げる。

・【ジルの声優に違和感を感じる件】

個人的にジルの吹き替え声優さん、ジルに合わないと思う。
英語音声は美しくてセクシーボイスなのに日本語音声のジルはオバサンボイス。
まるで女性芸能人が吹き替えしてるみたいな妙な“ぎこちなさ”がある。
吹き替えがちょっとだけうまい芸能人みたいな、
ジルだけ低レベルの吹き替えを見せられてるような気がしてしまい、英語音声に変えてみると今度は他のキャラの演技がヘタクソに聞こえてしまうジレンマ…

よって、私はこの作品の最大の楽しみ方を知らない。

【総評】
前作のアクションシーンが優秀だっただけに今作に期待してしまった自分が悪かったのかもしれない。

内容なんかいらんっ!
ゲームは苦手!
ただバイオの主役をずっと眺めたい!
バイオシリーズの声優みんなすき!
って人にはおすすめの一作だ⭐︎
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