【楽しさと激アツの嵐】
この一言に尽きる。
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『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZENON』
本来、異なる世界であるはずの二作品がとある現象により同一世界に集い、夢のクロスオーバーを果たした激アツ作品。
本作を洋画でたとえるなら…
『スパイダーマン：ノー・ウェイ・ホーム』であり
昭和アニメでたとえるなら…
『うる星やつら2ビューティフルドリーマー』であり
ゲームにたとえるなら…
『スーパーロボット大戦』である。
物語が完結したTVアニメシリーズ二作品の“その後”を描いただけでも感謝だし、どちらにもあった「心残り」が今作で見事に解消された。
戦闘作画は今までになく凄まじく、テンションのぶち上がり度はTVアニメ本編をも凌ぐ。
今回はいつも以上に“第四の壁”を乗り越えてくるような、なんとも不思議な気持ちにさせられた。
この物語が虚構で、フィクションで、誰かの作り物であることを強調するような裏のメッセージがあるように感じた。
「我々が紡いできた物語を、彼らの青春を、今まで見届けてくれて、ありがとう。応援してくれてありがとう。これは我々ができうる精一杯の感謝の気持ちです」
…そう画面の向こうから言われたような気さえした。
限られた尺でどれだけ観客にこちらが伝えたいメッセージを盛り込められるかの挑戦と試行錯誤など制作側の苦労も今作を通してヒシヒシと感じさせられたし、それを見事に完遂させた制作の方々には頭が上がらない。
作品としての難点はある。
激アツ展開をやりたいがために無理矢理設定をねじ込んでるので「宇宙が〜」の難解用語はイミフになるし「こんなに小物感のあるヤツがラスボスでいいのか問題」などの困惑ポイントはあれど「考えるな！ この一世一代の“お祭り”を全力で楽しめっ！」と言わんばかりに何度も脳内を叩きつける激アツ展開の嵐に興奮しかできない、そんな作品である。
今作のドラマパートはグリッドマンメインで「祐太六花の青春学園ラブコメ」に仕上がっており、六花推しにとっては最上級に大満足できる一本となっている。
近年ロボアニメの熱が廃れ、新作が出せなくなったスパロボのために大量のネタを用意したかのごとく、戦闘パートは想像を上回る新装備や新合体の数々に「こんなに合体ネタがあるならTVシリーズでやれ！」とツッコミたくなったほど。
250%の満足度はあったが、ダイナゼノン組のポジションが物語のメインではなく、あくまでゲストキャラ枠だったり、ダイナゼノンの活躍が少なかったり、ダイナゼノンの敵であった怪獣優生思想の出番が無かったりなどダイナゼノン推しには物足りなさはあった。
だが、ガウマの「守るべきものの３つ目」が聞けたこと、ガウマの想い人など気になってた部分が払拭されただけでも有難いと思うべきなんだろうな。
だって、彼らの「物語」は終わったんだしね。
…しかし、まだ“謎”は残ってる。
ダイナゼノンの第一話冒頭で怪獣の元となるバロックパールを街にばら蒔いた黒幕は結局誰だったのか？
その謎が解き明かされるその日まで僕らは退屈な日常に戻ることにしよう。
再び退屈から救ってくれる日を待ちわびながら。
