「首」
北野武監督の最新作。
今年初映画館は、昨年見逃してた「首」でスタートしました。
戦国版「アウトレイジ」とうたわれてますが、北野作品に一貫してある、淡々と物事が進み、あっさり重要人物が命を落として、あんまりタメがなく突然やってくるバイオレンス描写が満載の作品でした。
思ってた以上にコメディ的な要素が強く、特にビートたけし、大森南朋、浅野忠信の3人衆が好きでした。大森南朋のすっとぼけ演技は素晴らしかったですし、浅野忠信の冷静なツッコミもくすくす笑えました。
映画の中でかなり重要人物として暗躍する木村祐一については、TVでよく見るキム兄という感じでしたが、飄々とした立ち回りは良かったと思います。そばにつく中村獅童、予想以上に出番のあったアマレス兄弟のコンビもよかったです。
ちょっと不満だったのは、明智光秀演じる西島秀俊が最後まで演技のトーンが変わらなかったところで、刀に饅頭を刺して食べさせたあとにまさかの行動に出る加瀬亮よろしく、もっともっと狂わせてもよかったのではないかと思いました。遠藤憲一がまさかのヒロインなのですが、退場のさせ方ももうちょっと見せ場あってもよかったのではと感じました。
僕は近年の北野映画では「アウトレイジ ビヨンド」がダントツに好きなのですが、「～ビヨンド」の最大の魅力である罵り合戦、騙しあいの要素は案外弱かったかなという気がしました。
とはいえ、ここまで予算かけて、R15+指定のTVじゃ絶対やれない映画をつくれる監督は貴重ですし、作品のリリースペースや年齢的にもあと何作も撮れるわけではないので、（amazon primeやNetflixでも北野映画は配信されていない）映画館で観れたことはすごい良かったと思います。
