ホンのシネマ

夜明けのすべてのホンのシネマのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.8
原作は未読。
読もう読もうと思いながら手をつけていなかった瀬尾まいこさん作ということで、かなり期待していました。
そして、期待は裏切られることなく、すぐさま原作本を購入。今すごい勢いで読んでいます。


さて、この作品では主人公の2人がPMS(月経前症候群)とパニック障害で苦しむ二人の若者で、その周りにいる人たちも身内を自死で亡くされたりと色々と事情のある方々。
そういった皆さんが、お互いに寄り添いながら、なんとか生きていっている姿を描いています。

冒頭の雨の中バス停で倒れ込む上白石萌音ちゃん演じる藤沢さん。
もうそのシーンだけで、彼女の病状が彼女にとって深刻なことがわかります。
作中でも触れられていますが、PMSとか生理痛、更年期って病気なのかどうなのか結構微妙なラインに捉えられがちですよね。
私自身、結構生理痛がしんどかったもので、夜中にお腹が痛すぎて眠れなくて、うずくまって呻いていたり、貧血でふらふらなことが多かったけど、学校にも仕事にもなんとか行かないと・・・と思って頑張っていたなあと思い出しました。
これって、やっぱり「こんなことで休むわけにはいかない」って思いが強かったんですよね。

パニック障害ももちろんですが、それぞれの苦しさ半本人たちにしかわからず、もどかしかったり怖かったり、そんな気持ちを萌音ちゃんと北斗くんは素晴らしく表現できていたなあと思いました。(明るく楽しい時もありましたが、観ていて苦しい場面もありました)

それにしても2人の勤める会社「栗田科学」さんは素晴らしい会社ですね!
零細企業かもしれないし、時代遅れかもしれないけれども、それぞれがきちんと寄り添ってくれている良い会社だと思います。
「移動式プラネタリウム」は映画オリジナルの設定だそうで(パンフレットには会社案内が掲載されていて面白いです!)、なんだかこの教育教材とかを開発・製造・販売する会社っていう所も含めて素晴らしい!
私も入社して、お菓子をみんなで一緒に食べたいです。


この作品を通して、PMSやパニック障害など色々なことに興味が出ました。
人ごとではなく身近に感じで、辛いと思っている人に寄り添ってあげることができるようになりたい、そう思わせてくれる作品です。
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