じぇいらふ

ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版のじぇいらふのレビュー・感想・評価

4.8
鈴木清順浪漫3部作4K版シリーズ①

鈴木清順監督の代表的作品『ツゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』の浪漫3部作を録画したまま観れずににいたら、4K化で劇場上映されたら行きますよ!
まずは『ツゴイネルワイゼン』。鈴木清順といえばの代表作。ちゃんと観たのは初めて。訳分からない??と覚悟してたら。。。思ってたよりわかりやすいかも。

🎞️SP盤で流れるサラサーテのツゴイネルワイゼン♪~列車の中男と盲目のへんな親子~海岸「お~い!仏があがったぞ~」~はじまり

📖士官学校教授の青地と元同僚の友人・中砂。ひょんなことで再会、二人で旅に出る。旅先で、芸者・小稲に会う。1年後、中砂の結婚を聞いた青池は、彼の家を訪ねると、その妻・園が小稲に瓜二つであることに驚く。。。という感じのおはなし

原田芳雄と藤田敏八のイケおじ二人と、大谷直子、大楠道代の妖艶美女二人が、ひたすらああだこうだとおしゃべりするか、飯を食べてる映画です笑。演出も凄いけど、この作品に関しては圧倒的にこの4人の主役のキャストたちが魅力的なのが強いよね。

そこに盲目の旅芸人3人と、樹木希林、麿赤児等々、ひたすら濃いキャスティングによる魑魅魍魎大会。

有名な腐りかけがおいしいの~のシーンやら、こんにゃくをちぎる大谷直子とか、直接的でないがやたら思わせぶりなエロ場面の連続とユーモア。色気と死臭☠️。大人の絵本って感じ。

鈴木清順は、日活クビになって10年間映画撮れないで、復帰しての2作目で一番やりたい邦題の作品を作ったとのこと。
この独特過ぎる画面の連続と、面白い音の使い方(全然リアリズムじゃない)は、今の映画に相当影響与えてる気がしますが、やっぱりこの大人な世界は今ないよなあ。

鈴木清順は日活プログラムピクチャー時代しか観てないから、これ以降の清順美学大解放時代の作品も楽しみです。

こんな独特過ぎる映画が当時ヒットして、日本アカデミー賞受賞したんですよね~まあ良い時代だったんだろうなあ🍑🍶