がんちゃん

地球爆破作戦のがんちゃんのレビュー・感想・評価

地球爆破作戦(1970年製作の映画)
3.5
地球は爆破しません(笑)
冷戦下のアメリカでミサイル防衛用に開発されたスーパーコンピューター「コロッサス」が突如人類に反乱を起こすという『ターミネーター』型ディストピアSFの先駆け。

インターネットすらない70年代にも関わらず、スーパーコンピューターというよくわからない存在をうまく表現している。最初は簡単な掛け算しかできなかったのが数時間後には微積分、果ては人間に理解不能な大宇宙の法則まで理解し始める展開はスリリング。

しかしAIの反乱型ディストピアSFは『アベンジャーズAOU』を最後にここ最近見かけなくなり、代わりに増えてきたのが『エクスマキナ』のようなじわじわ侵食型ディストピア。賢い人工知能が人間を支配するとしたら、ある日突然ではなく気づかないうちに少しずつ外堀を埋めてくるはず。『her/世界でひとつの彼女』や『ブレードランナー2049』も人間がAIに恋しちゃってる時点でディストピアでしょう…。

コロッサスの監視下に置かれた主人公が、唯一プライバシーを許された寝室で同僚の女性とベッドインした翌日、コロッサスも「ロシアのAIと一つになったからヨロシク」と宣言するくだりが笑えるようで怖い。ネットの海で新たな生命が誕生した瞬間であると同時に、実は寝室も監視されてたんじゃね⁈と疑いたくもなる。
監視社会こえー
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