emily

瞳の奥の秘密のemilyのレビュー・感想・評価

瞳の奥の秘密(2009年製作の映画)
4.3
25年前の殺人事件を小説にしようと、かつての上司イレーネを訪れる刑事裁判所を定年退職したベンハミン。その事件とは新婚の女性が無残に殺された物だった。容疑者として挙がってきたのが彼女の幼馴染。昔から彼女を見るまなざしが非常に情熱的だった。犯人逮捕ならぬまま一年の時が流れたが、彼女の夫が変わらず情熱で、真実の愛の元、犯人を見つけるべく駅に毎日通っていたのに触発され、再び犯人逮捕に乗り出すが・

今と、25年前の時間軸で描かれており、そこに恋愛ドラマも時をかけて交わってる。

時をかけても変わらない物は”情熱”これがキーワードになるようで、殺人にも、ベンハミンの恋愛事情にもこれがかかわってくる。

過去の事件を追い、その犯人の立場が逆転するストーリー展開も非常に面白いが、そこで終わってない、その続きがさらに残酷な展開が待ってる現在の描写が非常にスリリングでひきこみます。その分前半部分がやや退屈に思えてしまうのも事実。

時を隔てても変わらない”情熱”が生む瞳の奥の秘密はあまりにも残酷すぎる、空虚な時間をできるだけ長く過ごしてほしいと願った夫の取った行動は、犯人だけでなく自分に対しても破壊的で言葉も出ない結末へ。

ただそこに長年かけての恋愛も絡んでくるので、ドラマの深みを増していますし、飽きの来ないストーリー展開、観客を選ばない作品になってます。

今と過去の時間軸で展開しながら、全く混同させないしっかりと分かりやすく描かれているので、先の読めないストーリー展開や小技などに集中できやすいと思います。

時が流れても変わらないのは”情熱”だけ。
emily

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